トヨタ ミライ10系とは?型式や世代ごとの違いを解説

初代MIRAI JPD10と2代目MIRAI JPD20を型式と駆動方式の違いから比較するイメージ

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トヨタ ミライ10系とは、一般に初代MIRAIのJPD10を指して中古車市場などで使われる通称です。公式資料の型式「JPD10」と、2代目「JPD20」の違いを押さえると迷いません。

中古車サイトでMIRAIを探していると、「10系」「JPD10」「20系」「JPD20」といった表記を見かけることがあります。

ここで重要なのは、「10系」はトヨタが初代MIRAIの正式な世代名称として前面に出している呼び方ではないという点です。トヨタの公式資料では、初代の車両型式として「JPD10」が確認できます。

この記事では「10系」という市場で見かける呼び方と公式資料上の「JPD10」を分けたうえで、初代と2代目の違い、2018年の一部改良、中古車で型式を確認する意味まで整理します。

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トヨタ ミライ10系とは?公式資料ではJPD10と表記

「ミライ10系」と呼ばれているクルマは、基本的に2014年に登場した初代MIRAIのJPD10を指します。

トヨタは2014年11月18日、セダンタイプの新型燃料電池自動車「MIRAI」を発表し、同年12月15日に発売しました。

車名のMIRAIは、日本語の「未来」に由来します。

初代の公式資料では車両型式として「JPD10」が使われ、発売時の型式は「ZBA-JPD10」と記載されています。

ここは少しややこしいところですが、JPD10とZBA-JPD10をまったく別のMIRAIだと考える必要はありません。

「JPD10」は車種を見分けるうえで中心となる型式部分で、「ZBA-JPD10」は排出ガス規制などに関係する識別記号を含んだ型式表記です。

したがって、中古車を探すときは「10系」という通称だけでなく、車両情報にJPD10と記載されているかを見ると世代を判断しやすくなります。

初代MIRAIの代表的な仕様を整理すると、次の通りです。

項目初代MIRAI(JPD10)
発表2014年11月18日
発売2014年12月15日
型式ZBA-JPD10
駆動方式前輪駆動(FWD)
乗車定員4名
全長4,890mm
全幅1,815mm
全高1,535mm
ホイールベース2,780mm
車両重量1,850kg
発売時価格7,236,000円
高圧水素タンク70MPa
JC08モード走行距離約650km
駆動モーター最高出力113kW(154PS)
駆動モーター最大トルク335N・m

数字を見るときに注意したいのが、FCスタックと駆動用モーターの出力です。

初代MIRAIではFCスタック最高出力が114kW、駆動用モーター最高出力が113kWとされています。数字が近いため混同しやすいのですが、役割は異なります。

FCスタックは水素と空気中の酸素による化学反応を利用して電気を作る部分。モーターは、その電力によってクルマを走らせる部分です。

つまりMIRAIは、ガソリンエンジンを搭載する一般的なハイブリッド車とは仕組みが違います。

水素を燃料として車内で発電し、電気でモーターを動かす燃料電池自動車(FCEV)です。

初代には70MPaの高圧水素タンクが搭載され、トヨタは発売時に水素充填時間を約3分と説明しています。ただし、実際の充填時間は水素ステーションや車両側の状態、充填条件などによって変わると考えておきましょう。

僕がこの記事を書こうと思ったのは、中古車情報を調べていると「10系」という言葉だけが先に出てきて、それが正式な型式なのか、初代を意味する通称なのかが初心者には分かりにくいと感じたからです。

整備について学んでいる僕にとっても、車名だけでなく型式を確認することは基本中の基本です。

型式はただの英数字ではありません。世代や部品、整備情報を正しくたどるための、いわばクルマの住所のようなものなんです。

【出典:トヨタ自動車 『TOYOTA、セダンタイプの新型燃料電池自動車「MIRAI」を発売』 https://global.toyota/jp/detail/4197769】

【出典:トヨタ自動車 『新型燃料電池車「MIRAI」発表会』 https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/25263018.html】


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ミライ10系(JPD10)と20系(JPD20)は何が違う?

JPD10は初代・FWD・4人乗り、JPD20は2代目・RWD・5人乗りです。単なる年式違いではなく、基本設計から大きく変更されています。

2代目MIRAIは2020年12月9日に発売されました。

初代からの流れを簡単に並べると、世代交代が分かりやすくなります。

  • 2014年11月18日:初代MIRAI発表
  • 2014年12月15日:初代JPD10発売
  • 2018年10月30日:初代MIRAIを一部改良
  • 2020年12月9日:2代目JPD20発売

10系と20系の代表的な違いも比較してみましょう。

比較項目10系と呼ばれる初代20系と呼ばれる2代目
型式JPD10JPD20
発売2014年12月2020年12月
駆動方式FWDRWD
乗車定員4名5名
全長4,890mm4,975mm
全幅1,815mm1,885mm
全高1,535mm1,470mm
ホイールベース2,780mm2,920mm
航続距離の代表値約650km(JC08)最大約850km(WLTC)

航続距離については、初代の約650kmがJC08モード、2代目の最大約850kmがWLTCモードなので、同一条件の数字として単純比較できないことには注意してください。

※画像はAIによるイメージ

大きな違いのひとつが、FWD(前輪駆動)からRWD(後輪駆動)への変更です。

2代目はGA-Lプラットフォームをベースとし、FCスタックをフード下に配置。駆動用モーターと高電圧バッテリーを後方に配置することで、前後50:50の重量配分を実現しました。

ホイールベースも初代の2,780mmから2代目では2,920mmとなり、140mm延長されています。乗車定員も4人から5人へ増えました。

つまりJPD10からJPD20へのモデルチェンジは、外観を新しくしただけではありません。

駆動方式、プラットフォーム、FCシステムの配置、ボディサイズ、室内パッケージまで大きく変更した世代交代です。

僕はこの違いを見ると、初代と2代目ではMIRAIに与えられた役割そのものが少し変化したように感じます。

初代JPD10は、燃料電池自動車を一般向けの市販車として社会へ送り出すことに大きな意味があったモデル。一方、JPD20ではFCEVという技術だけでなく、スタイリングや走りを含めた「クルマとしての魅力」をさらに追求しています。

10系はFCEVを社会へ出すMIRAI、20系はFCEVを一台のセダンとしてさらに磨いたMIRAI。

これは僕なりの捉え方ですが、FWDからRWDへの大胆な変更まで含めて見ると、単純な「新旧」以上の違いが見えてきます。

【出典:トヨタ自動車 『新型MIRAIを発売』 https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/33558116.html】

【出典:トヨタ自動車 『NEW MIRAI PRESS INFORMATION 2020』 https://global.toyota/pages/news/images/2020/12/09/1200/20201209_01_02_jp.pdf】


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2020年登録のMIRAIは10系?年式だけで判断しない

2020年に登録されたMIRAIには初代JPD10と2代目JPD20が存在し得るため、世代を確認するときは型式を見るのが確実です。

2代目JPD20の発売日は2020年12月9日。2020年は、初代から2代目への切り替え時期に当たります。

中古車サイトでは「年式」という言葉が使われますが、実際の表示では初度登録年などを基準としている場合があります。

そのため「2020年」と表示されていることだけを理由に、2代目だと決めつけないほうが安全です。

中古車情報や車検証の「型式」を確認して、JPD10なのかJPD20なのかを見分けましょう。

ここで型式を確認する意味は、中古車の世代判別だけではありません。

整備では同じ「MIRAI」という車名でも、JPD10とJPD20で車体構造や部品、整備情報が異なります。

たとえば交換部品を調べる場合、車名だけで検索すると別世代向けの部品まで候補に入る可能性があります。また、整備要領や作業上の注意事項を確認するときも、対象車両を間違えれば正しい情報へたどり着けません。

だから実際の整備では、車名→型式→必要に応じて車台番号や仕様情報というように対象車両を絞っていくことが大切になります。

僕もまだ駆け出しですが、先輩方の仕事を見ていると、「知っている車種だから大丈夫」と思い込まず、対象車両をきちんと確認することの重要性を感じます。

これはFCEVに限らず、ガソリン車やハイブリッド車でも同じです。

中古MIRAIを探す場合も、写真だけで判断するより先に型式欄を見るクセをつけると、情報の取り違えを減らせます。

【出典:トヨタ自動車 『新型MIRAIを発売』 https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/33558116.html】


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MIRAI JPD10は2018年の一部改良で何が変わった?

同じJPD10でも年式によって装備は同一ではなく、2018年10月30日の一部改良では予防安全装備が強化されました。

中古の初代MIRAIを検討するなら、型式を確認した次に見ておきたいポイントです。

トヨタは2018年10月30日にMIRAIを一部改良し、「Toyota Safety Sense」を標準装備しました。

プリクラッシュセーフティはミリ波レーダーと単眼カメラを使い、歩行者については昼夜、自転車運転者については昼間の検知に対応しています。

さらに道路標識を認識するロードサインアシスト、先行車発進告知機能などが追加され、インテリジェントクリアランスソナーも標準装備されました。

一部改良時のメーカー希望小売価格は7,274,880円です。

つまり中古車選びでは「JPD10だったから確認終了」ではありません。

型式で世代を特定し、年式・改良時期で装備差を確認するという順番が重要です。

※画像はAIによるイメージ

さらに初代MIRAIは、一般的なガソリン車とは異なるFCスタックや70MPa高圧水素タンクなどを搭載しています。

中古車として見るなら、走行距離や外装だけではなく、整備記録簿などからこれまでどのような点検・整備を受けてきたのかも確認したいところです。

僕なら「型式→年式と改良時期→装備→整備履歴」という順番で情報を絞ります。

これは「新しい年式なら全部良い」という単純な話ではありません。自分が必要とする安全装備が備わっているか、適切に管理されてきた車両なのかを一台ずつ確認するためです。

そして高圧水素系統について気になることがあっても、知識だけを頼りに自分で触るのは避けましょう。

FCEVには高圧水素を扱う専用構造があります。購入前の疑問や点検については、FCEVに対応できる販売店や整備事業者へ確認するのが安全です。

【出典:トヨタ自動車 『TOYOTA、MIRAIを一部改良-歩行者や昼間の自転車も検知する「Toyota Safety Sense」を標準装備-』 https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/25114662.html】


MIRAI 10系を中古で選ぶなら型式以外に何を見る?

ここからは、公式情報を踏まえた僕なりの考察です。

JPD10という型式は中古MIRAI選びのスタート地点であって、ゴールではありません。

JPD10と確認できれば、初代MIRAIという大きな枠を特定できます。そこから2018年の一部改良前後、装備、車両状態、整備履歴へと確認範囲を狭めていくわけです。

この考え方は中古車選び全般でも役立ちます。

「車名→価格→走行距離」だけを見るのではなく、まず正確な型式で対象を特定する。そのうえで、その型式の途中にどんな改良があったのかを調べると、同じ車名・同じ世代でも仕様差を理解しやすくなります。

そしてMIRAIでは、もう一段大切な確認があります。

水素をどこで補給するかです。

MIRAIはガソリンスタンドで給油するクルマではなく、水素ステーションで水素を充填するFCEVです。

中古車本体が魅力的な条件でも、自宅や職場、日常的な移動ルートから利用可能な水素ステーションへアクセスしにくければ、所有後の使い勝手は大きく変わります。

ここは僕が中古MIRAIを見るうえで、車両価格以上に先に確認したいポイントです。

普通の中古車では「欲しいクルマを決めてから近くのガソリンスタンドを探す」という発想はあまりしませんよね。

ところがFCEVの場合は、自分の生活圏で水素を継続的に補給できるかを確認してから、車両を具体的に選ぶという逆方向の考え方が重要になります。

これはJPD10の価格や装備だけを比較していては見落としやすい部分です。

水素ステーションの設置状況や営業時間などは変化する可能性があります。購入時には実際に利用する予定の施設について、最新の営業状況を確認してください。

僕は初代JPD10を「古いMIRAI」、2代目JPD20を「新しいMIRAI」とだけ分けるのは、少しもったいないと思っています。

初代はFCEVを市販乗用車として普及させようとした時代の設計で、2代目ではRWDやGA-Lベースの車体を採用し、セダンとしての魅力まで大きく磨かれました。

型式を知ると、単に部品を区別できるだけではなく、その世代が何を目指して設計されたのかまで見えてきます。

そこまで理解して中古車を比べると、「新しいほう」「安いほう」だけではない、自分に合った選び方ができるのではないでしょうか。


まとめ:トヨタ ミライ10系はJPD10、20系はJPD20

トヨタ ミライ10系とは、一般に初代MIRAIのJPD10を指して中古車市場などで使われる通称です。「10系」そのものをトヨタ公式の世代名称と考えるより、公式資料で確認できるJPD10と結び付けて理解すると分かりやすくなります。

初代JPD10は2014年12月15日に発売されたFWD・4人乗りのFCEVで、発売時価格は7,236,000円。2018年10月30日の一部改良ではToyota Safety Senseなどの予防安全装備が強化されました。

2020年12月9日に発売された2代目JPD20ではRWD・5人乗りとなり、GA-Lをベースとする車体やFCシステムの配置など、基本設計が大きく変わっています。

中古車としてJPD10を見るなら、型式を確認して世代を特定し、年式・改良時期・装備・整備履歴へ進むのが分かりやすい順番です。

さらにMIRAIはFCEVなので、車両そのものだけでなく、普段の生活圏で水素を無理なく補給できるかも購入前に確認しておきましょう。

「10系って何?」という疑問は、JPD10という型式を入り口にすると一気に整理できます。


よくある質問

トヨタ ミライ10系とは何ですか?

一般に初代MIRAIのJPD10を指して使われる通称です。トヨタの公式資料ではJPD10という型式を確認できるため、「10系」と「JPD10」を区別して理解しておくと混乱しにくくなります。

MIRAIのJPD10とJPD20は何が違いますか?

JPD10は2014年発売の初代でFWD・4人乗り、JPD20は2020年発売の2代目でRWD・5人乗りです。2代目ではGA-Lをベースとし、車体寸法やFCシステムの配置なども大きく変更されています。

2020年登録のMIRAIはすべてJPD20ですか?

2020年は初代から2代目への切り替え時期で、2代目JPD20の発売は2020年12月9日です。中古車を判別するときは登録年だけで決めず、車両情報や車検証に記載された型式を確認してください。

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