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プリウスPHV GR SPORTは、8.8kWhの電池を持つ50系PHVをベースに、足回りやボディを専用チューニングしたスポーティモデルです。
中古で選ぶなら、GR専用装備だけでなく、駆動用バッテリーや充電動作、18インチタイヤ、足回り、改造歴まで確認することが大切です。
プリウスPHV GR SPORTとは?標準車との違いは?
プリウスPHV GR SPORTは、ZVW52型プリウスPHVをベースに、専用サスペンションやブレース、18インチタイヤ、専用内外装を採用したモデルです。
50系プリウスPHVは2017年2月にフルモデルチェンジして登場し、その後2017年9月19日にトヨタが新しいスポーツカーシリーズ「GR」を発表しました。
そのラインアップの一つとして設定されたのがプリウスPHV GR SPORTです。
登場時のベースグレードは「S」と「S“ナビパッケージ”」。つまりGR SPORTは独立した高性能車というより、プリウスPHVを土台に「走る楽しさ」を追加したスポーツコンバージョンモデルと考えると分かりやすいでしょう。
主な違いを整理すると、こんなイメージです。
| 項目 | プリウスPHV GR SPORTの特徴 |
|---|---|
| 型式 | ZVW52系 |
| パワートレーン | 1.8L 2ZR-FXE+モーター |
| 駆動方式 | FF |
| 駆動用電池 | リチウムイオン・8.8kWh |
| タイヤ | 225/40R18 |
| 足回り | GR専用チューニング |
| ボディ | ブレースなどを追加 |
| 外装 | GR専用バンパー・グリルなど |
| 内装 | 小径ステアリング・専用シート・タコメーターなど |
ここで最初に知っておきたいのが、「GR SPORT=エンジン出力を大幅に上げたプリウスPHV」ではないことです。
GRヤリスのようにパワートレーンそのものを高性能化したクルマとは方向性が異なります。
プリウスPHV GR SPORTが手を入れた中心は、サスペンション、ボディ、タイヤ、運転席まわりなどです。
僕はこれを「速さを足したPHV」というより、「PHVの動きを整えたGR」と捉えると、このクルマのキャラクターが理解しやすいと思います。
50系プリウスPHV GR SPORTは足回りがどう違う?
GR SPORTの重要な違いは見た目だけではありません。サスペンションのバネレート変更やローダウン、ブレース追加によって操舵応答性を高める狙いがあります。
GR SPORTでは専用フロントバンパー、大開口ロアグリル、専用リヤバンパーなどが採用され、標準のプリウスPHVとはかなり違った表情になっています。
さらに225/40R18タイヤと18インチ専用アルミホイールを装着。ブレーキキャリパーもホワイト塗装となり、フロントにはGRロゴが入ります。
でも、中古車として見るなら僕がより注目したいのは車体の下側です。
GR SPORTではショックアブソーバーの減衰力が調整され、バネレートは標準仕様に対してフロント約1.3倍、リヤ約1.5倍とされています。
さらにフロント側を13mmローダウン。
フロントセンターブレース、リヤブレース、リヤサスペンションアームブラケットなども追加し、ボディの変形を抑えながらステアリング操作に対する応答性を高める方向で仕上げられています。

インテリアもGR専用です。
小径ステアリングホイール、ホールド性を意識した専用スポーティシート、GRロゴ付きタコメーター、専用スタートスイッチ、アルミペダルなどが用意されました。
シフトノブにはスモークブラック加飾が使われ、黒を基調としたスポーティな雰囲気になっています。
つまり、GR SPORTは「普通のプリウスPHVにエアロと大きなホイールを付けただけ」ではありません。
外観・操作系・足回り・ボディをまとめて変更していることに価値があります。
反対にいえば、中古車で社外車高調や別ホイールへ交換されている場合、GR SPORT本来のセッティングから変わっている可能性があります。
ここが中古選びではかなり重要になってきます。
プリウスPHV GR SPORTの電池容量・EV走行・充電性能は?
50系プリウスPHVは総電力量8.8kWhのリチウムイオン電池を搭載し、登場時のEV走行距離はJC08モード68.2kmでした。GR SPORTでもPHVとしての基本性能は重要なチェックポイントです。
50系プリウスPHVは「GR」という名前だけを見てしまいがちですが、そもそもプラグインハイブリッド車です。
ここを抜きにして中古車選びはできません。
2017年に登場した50系プリウスPHVでは、先代の4.4kWhから総電力量8.8kWhへ拡大。EV走行距離はJC08モードで68.2kmとされました。
普通充電ではAC200V・16Aで満充電まで約2時間20分が目安です。
ただし、ここで注意してください。
カタログ上のEV走行距離と、中古車で実際に走れる距離は同じとは限りません。
気温、エアコン使用、速度、道路状況、タイヤ、バッテリーの状態などによって実際のEV走行可能距離は変化します。
だから中古のプリウスPHV GR SPORTを見るときは、「8.8kWhだから大丈夫」とスペックだけで終わらせないことが重要です。
可能であれば販売店に、
- 実際に外部充電できるか
- 充電時に警告表示が出ないか
- 駆動用バッテリー関連の診断内容を確認できるか
- ハイブリッド/駆動用バッテリーに関する保証条件はどうなっているか
- 充電ケーブルが車両に付属するか
まで確認しておきたいところです。
保証についても「中古だから○年間大丈夫」と一律には考えない方が安全です。
初度登録年月や走行距離、販売店、認定中古車かどうかなどによって条件が変わる可能性があるため、購入する個体について保証書と販売店の保証内容を確認してください。
また、急速充電設備やAC100V・1500Wの外部給電機能についても、年式や仕様による違いがあります。
特に外部給電機能については、2020年7月の一部改良でプリウスPHV全車に1500Wの外部給電機能が標準装備されています。
それ以前の中古車では、単純に「50系PHVだから付いている」と判断せず、現車の装備を確認しましょう。
PHV中古車はガソリン車以上に、「付いている装備」と「正常に動く装備」の両方を見る必要があると僕は考えています。
プリウスPHV GR SPORTのスペックと中古相場は?
2021年6月発売のS GR SPORTは新車価格3,842,000円、型式6LA-ZVW52。2026年8月29日時点の中古車では、200万円台を中心とする掲載例が確認できます。
2021年6月発売の「プリウスPHV S GRスポーツ」を例にすると、主要スペックは次のとおりです。
全長4,685mm、全幅1,760mm、全高1,470mm、ホイールベース2,700mm。
車両重量は1,550kgで、乗車定員は5人です。
エンジンは2ZR-FXE型1,797cc直列4気筒で、エンジン単体の最高出力は98ps(72kW)/5,200rpm、最大トルクは142N・m/3,600rpm。
燃料タンク容量は43Lで、レギュラーガソリン仕様です。
2021年6月発売モデルのメーカー希望小売価格は3,842,000円でした。
ここでもポイントは、GR SPORTだからエンジン単体が特別な高出力仕様になっているわけではないこと。
パワーを大きく上乗せするのではなく、車体側を仕立て直すというGR SPORTの考え方が数字からも見えてきます。
では中古車はいくらなのでしょうか。
2026年8月29日時点で確認できる掲載例では、2019年式・走行7.1万kmのS GR SPORTが支払総額229.9万円、2020年式・走行5.4万kmの車両が251.7万円、トヨタ認定中古車では2018年式・走行5.1万kmで支払総額249万円といった例があります。
また、2021年式・走行2.2万kmで支払総額295.2万円という掲載例も確認できます。
ただし、これはあくまで2026年8月29日に確認できた個別の掲載例です。
中古車は売約、新規入庫、車両状態、地域、保証、修復歴、装備などによって価格が変わるため、「GR SPORTの相場は○万円」と固定して考えないでください。
さらに注意したいのが、検索サイトに表示される「プリウスPHV全体の平均価格」です。
50系標準車だけでなく、初代30系や別グレードが混在する集計では、S GR SPORTだけの相場とは一致しません。
中古相場を見るときは「プリウスPHV全体」ではなく、ZVW52のS GR SPORTまでグレードを絞って比較する。
これだけでも相場の読み違いをかなり防ぎやすくなります。
プリウスPHV GR SPORT中古車は現車のどこを見る?
中古のGR SPORTでは、①充電系、②駆動用バッテリー、③タイヤ、④サスペンション、⑤改造・整備履歴の順に確認すると整理しやすいです。
ここは駆け出し整備士の僕としても、特に丁寧に見てほしい部分です。
まずタイヤ。
純正サイズは225/40R18です。
残り溝だけで「まだ使える」と判断するのではなく、サイドウォールや溝のひび割れ、製造時期、左右で摩耗状態が極端に違わないかを見ます。
特に気になるのが偏摩耗です。
タイヤの内側だけ極端に減っている、左右で摩耗状態が大きく違うといった場合は、単純なタイヤ寿命だけではなく、アライメントや足回りの状態、車高変更などについて確認したくなります。
もちろん偏摩耗だけで事故歴や故障を断定することはできません。
でも「なぜこの減り方になったんだろう?」と一段深く確認するきっかけにはなります。
次はサスペンションです。
GR SPORTはもともと専用チューニングされた足回りなので、純正なのか社外品へ交換されているのかを最初に確認しましょう。
車高調付きなら、ショック周辺に目立つオイルのにじみがないか、ダストブーツが大きく破れていないか、極端な車高になっていないかをチェック。
試乗できるなら低速で段差を越えたときに「ゴトゴト」「コトコト」と不自然な音が続かないかにも注意したいですね。

そして平坦で安全な道路を試乗できるなら、ステアリングの感触も確認します。
まっすぐ走っているのにステアリングが大きく傾いていないか、左右どちらかへ不自然に取られる感覚がないか、速度を上げたときに振動が出ないか。
こうした症状にもタイヤ空気圧などさまざまな原因があるため、症状だけで故障とは断定できません。
気になる点があれば「仕様ですか?」で済ませず、販売店に点検をお願いするのがおすすめです。
そしてPHVで忘れてはいけないのが充電です。
充電ケーブルがトランクにあるかを見るだけでなく、できれば実際に接続して充電が開始されるところまで確認したいですね。
充電インレット周辺の破損や著しい汚れ、警告表示の有無なども確認材料になります。
最後に整備記録簿です。
「走行3万kmだから安心」「10万kmだからダメ」という見方ではなく、どんな点検や整備を受けてきたのかを追います。
社外車高調やホイール、ブレーキ部品などが変更されているなら、交換時期や取付内容、純正部品の有無も聞いてみましょう。
僕なら中古のプリウスPHV GR SPORTでは、走行距離の数字より「車両の履歴が説明できるか」を重視します。
プリウスPHV GR SPORTは中古で買う価値がある?
僕は「PHVの静かさや充電走行も欲しいけれど、標準車より運転感覚を楽しみたい」という人なら、中古のGR SPORTは今でも面白い選択肢だと考えます。
ここからは僕自身の考察です。
50系プリウスPHV GR SPORTのおもしろさは、「電動化」と「スポーツ」を無理に対立させていないところにあります。
モーターを使って静かに日常を走りながら、GR専用サスペンション、ボディ補強、18インチタイヤ、小径ステアリングなどでドライバー側の楽しさも残す。
最高出力だけでは見えてこない魅力ですよね。
一方、注意したいのは「GR」の文字だけで選ばないことです。
サスペンションが標準PHVよりスポーティに設定され、225/40R18という低偏平タイヤを履くため、乗り心地やタイヤ交換費用については自分の使い方と照らし合わせる必要があります。
そして中古車では、GR専用部分とPHV部分を別々に点検する発想が大切だと僕は考えます。
GR側ではタイヤ、サスペンション、ブレース、ホイール、改造歴。
PHV側では駆動用バッテリー、充電動作、充電ケーブル、外部給電装備、保証条件。
この2方向からチェックすると、単なる「見た目が格好いいGR」だけで中古車を選ぶ失敗を防ぎやすくなります。
また、個人的には純正状態がどの程度残っているかも見ておきたいポイントです。
GR SPORTはメーカー側がサスペンションからボディ、タイヤ、ステアリングまでまとめて仕立てたモデルです。
車高調や別サイズのホイールへ変更された個体が悪いという意味ではありませんが、GR SPORT本来の乗り味を求めるなら、純正足回りや純正18インチホイールが残っている個体は比較しやすいでしょう。
中古車としての将来価値については慎重に考えるべきです。
GRの名前が付いているからといって、将来必ず価格が上がるとは言えません。
中古価格は流通台数、年式、走行距離、車両状態、需要などで変化します。
そのため投資的な価値を期待するより、「標準PHVではなくGR SPORTのデザインと乗り味が欲しいか」を購入理由にする方が納得しやすいと僕は思います。
まとめ
プリウスPHV GR SPORTは、ZVW52型の50系プリウスPHVをベースに、専用サスペンション、ブレース、225/40R18タイヤ、専用内外装などを与えたスポーティモデルです。
2017年9月にGRシリーズの一員として登場しましたが、大幅なエンジン出力アップを狙ったクルマではありません。PHVとしての基本性能を残しながら、ハンドリングや操舵応答性をスポーティに仕立てたことが特徴です。
そして中古車選びでは、GR専用装備だけを見るのでは不十分です。
8.8kWhの駆動用バッテリー、実際の充電動作、充電ケーブル、保証条件、18インチタイヤの偏摩耗、足回りの状態、社外パーツ、整備履歴まで確認することが大切になります。
2026年8月29日時点では、支払総額200万円台のS GR SPORTが複数確認できますが、価格は常に変動します。
相場だけで決めず、GRとしてのコンディションとPHVとしてのコンディションを両方確認して、自分に合った一台を探してみてくださいね!
よくある質問
プリウスPHV GR SPORTは普通のPHVより速い?
大幅なエンジン出力アップを目的としたモデルではありません。
専用サスペンションやブレース、225/40R18タイヤなどによって、操舵応答性やハンドリングをスポーティに仕立てていることが大きな特徴です。
50系プリウスPHVのバッテリー容量とEV走行距離は?
50系プリウスPHVは総電力量8.8kWhのリチウムイオン電池を搭載し、登場時のEV走行距離はJC08モード68.2kmでした。
中古車ではカタログ値だけでなく、実際の充電動作や車両の状態、保証条件も確認しましょう。
プリウスPHV GR SPORT中古で最優先して確認することは?
充電・駆動用バッテリーとGR専用足回りの両方です。
充電ケーブルと充電動作、保証条件を確認したうえで、225/40R18タイヤの偏摩耗、サスペンションの状態、直進性、社外パーツへの交換歴、整備記録簿までチェックすると判断しやすくなります。
















