プリウスPHVのバッテリー容量は?駆動用バッテリーの特徴を解説

初代4.4kWh・50系8.8kWh・現行13.6kWhのプリウスPHVを並べバッテリー容量を比較するシーン

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プリウスPHVの駆動用バッテリー容量は、初代4.4kWh、50系8.8kWh、現行PHEV13.6kWhです。

世代が新しくなるほど容量は増えていますが、EV走行距離は試験方式やタイヤ仕様でも変わります。中古車選びでは「何kWhか」だけでなく、自宅充電、1日の走行距離、バッテリー状態まで一緒に確認するのがポイントです。

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プリウスPHVのバッテリー容量は何kWh?

プリウスPHV/プリウスPHEVの駆動用バッテリーは、初代ZVW35が4.4kWh、2代目ZVW52が8.8kWh、現行60系PHEVが13.6kWhと、大容量化してきました。

「プリウスPHV バッテリー容量」で調べると4.4kWh、8.8kWh、13.6kWhという違う数字が出てくるため、初心者の方は「どれが正しいの?」となりますよね。

答えはシンプルで、すべて世代が違うだけです。

世代主な型式・名称駆動用バッテリー総電力量EV走行距離の代表値
初代プリウスPHVZVW354.4kWh 26.4km(JC08)
2代目プリウスPHVZVW52・50系8.8kWh68.2km(JC08)
現行プリウスPHEV60系13.6kWh19インチ86km/17インチ102km(WLTC)

 

初代について、トヨタが2011年11月29日に公表した受注開始時の資料では、高容量リチウムイオン電池の総電力量4.4kWhとされています。プリウスPHVは2012年1月30日に発売され、JC08モードのEV走行距離は26.4kmでした。

2代目は2017年2月15日にフルモデルチェンジ。トヨタ公式ニュースリリースでは、リチウムイオン電池の総電力量を8.8kWhとし、EV走行距離を68.2kmまで伸ばしています。

そして現在のプリウスPHEVは13.6kWhです。現行トヨタ商品情報では、満充電からのEV走行距離について19インチタイヤ装着車86km、メーカーオプションの17インチタイヤ装着車102kmと案内されています。

ここで大事なのは、13.6kWhという総電力量を、そのまま全部走行に使い切るわけではないという点です。

駆動用バッテリーは、過充電や過放電を避けながら性能や耐久性を保つために車両側で管理されています。そのため「総電力量÷カタログ電費」で実際の航続距離が必ず一致する、と考えるのは適切ではありません。

僕も整備を学び始めたころは「容量が分かれば走れる距離も単純計算できそう」と考えていました。

でも実際のクルマでは、バッテリーの利用可能範囲だけでなく、気温、エアコン、速度、道路勾配、タイヤ、乗車人数なども関係します。kWhは重要な比較材料ですが、それだけで実航続距離を決めないのが第一歩です。


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50系プリウスPHVの8.8kWhは初代から何が変わった?

50系プリウスPHV(ZVW52)は、8.8kWhのリチウムイオンバッテリーを採用し、初代4.4kWhから総電力量をちょうど2倍に拡大しました。

トヨタが2017年2月15日に発表したフルモデルチェンジでは、EV走行距離も従来型から2倍超となる68.2kmへ延長されています。EV走行最高速度も135km/hとされ、単に「近所だけ電気で走れるクルマ」ではなく、EVで走れる場面そのものを広げた世代でした。トヨタ

さらに特徴的なのが「デュアルモータードライブシステム」です。

通常の駆動用モーターに加えて、発電を担当するジェネレーターも走行用モーターとして活用します。大きくなったバッテリーをただ航続距離に使うのではなく、EV走行時の力強さにも生かしたのが50系のポイントなんですね。

※画像はAIによるイメージ

寒い季節への対策にも進化がありました。

50系には駆動用バッテリー専用ヒーターや、ガスインジェクション機能付きヒートポンプオートエアコンが採用されています。トヨタは、これらによってEVモード走行中にエンジンが始動しにくい状態を維持することに貢献すると説明しています。

ただし、EVモードだからといって、どんな状況でもエンジンが停止し続けるわけではありません。

バッテリーの充電状態や温度、暖房、アクセル操作、車両が必要とする出力などによって、エンジンが始動することがあります。「充電が残っているのにエンジンがかかった=駆動用バッテリー故障」とは限らないので、ここは覚えておきたいですね。

そして中古車を探している人にとって、8.8kWhという数字には実用上かなり分かりやすい意味があります。

たとえば1日の通勤が往復30kmなら、68.2kmというJC08モードの公称EV走行距離だけを基準にすれば1往復分をカバーできる計算です。

もちろん68.2kmは保証された実走距離ではありません。冬の暖房や高速走行などで実際のEV走行距離が短くなることを考えると、「公称値に対して自分の1日走行距離がどれくらい余裕を持って収まるか」を見るほうが現実的です。

この視点なら、「8.8kWhだから古い」「13.6kWhだから正解」という単純比較を避けられます。


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現行プリウスPHEVの13.6kWhと86km・102kmはどう見る?

現行プリウスPHEVでは、駆動用バッテリーの総電力量が13.6kWhまで拡大しています。

そして現在のトヨタ商品情報では、EV走行距離は19インチタイヤ装着車で86km、メーカーオプションの17インチタイヤ装着車で102kmです。「現行型は86km」と一括りにしないことが重要ですね。

発売当初の2023年3月1日のトヨタ発表では、19インチ仕様87km、17インチ仕様105kmとされていました。現在の商品情報では86km/102kmとなっているため、検討時には年式や公表時期の違う数値を混ぜないよう注意したいところです。

現行型には第5世代ハイブリッドシステムをベースとした2.0Lプラグインハイブリッドシステムが採用され、システム最高出力は164kW(223PS)。トヨタは2023年の発売時、このPHEVを環境性能だけでなく高い動力性能を持つモデルとして打ち出しました。

つまり13.6kWhへの大容量化は、「EVで何km走れるか」だけを見る数字ではありません。

僕は、日常をEV中心にしつつ、必要なときにはエンジンを使って長距離へ行ける範囲が広がったことが、現行PHEVの大きな進化だと考えます。

たとえば往復30kmの通勤なら、公称値86kmの19インチ仕様でも約2.9日分、102kmの17インチ仕様なら約3.4日分に相当します。

もちろんこれは「公称EV走行距離÷30km」という単純な机上計算です。毎回その日数を走れるという意味ではありませんが、自分の生活へ落とし込む目安としては、バッテリー容量単体よりイメージしやすいですよね。

一方でタイヤ仕様によって86kmと102km、16kmもの差があります。

同じ13.6kWhなのに航続距離が同じではないことからも、バッテリー容量だけでEV性能が決まるわけではないと分かります。


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初代・50系・現行PHEVのEV距離をそのまま比較していい?

結論からいうと、容量の変化は比較できますが、EV走行距離を数字だけで横並びにする際は注意が必要です。

初代の26.4kmと50系の68.2kmはJC08モードが代表値ですが、現行PHEVの86km/102kmはWLTCモードです。

測定方法が違うため、

26.4km → 68.2km → 86km

という数字だけを見て、各世代の効率が何%向上したと単純計算するのはおすすめできません。

同じ理由で、8.8kWhから13.6kWhへ約1.55倍に増えたからといって、「現行は50系より必ず1.55倍EVで走れる」ともいえません。

ここは今回の記事で一番伝えたい部分です。

バッテリー容量は、たとえるなら燃料タンクの大きさに近い数字です。でも実際にどこまで進めるかは、クルマ側の効率や使えるエネルギー範囲、タイヤ、速度、空調、気象条件などでも変わります。

容量・公称EV距離・実走EV距離は、それぞれ別の数字として見る。

これがプリウスPHVのスペックを読み間違えないコツです。


中古50系プリウスPHVはバッテリー容量より何を確認する?

中古の50系プリウスPHVを選ぶなら、「8.8kWhだから大丈夫」という見方より、その車両が現在どのような状態なのかを確認することが重要です。

僕なら少なくとも次を確認します。

  • 充電ケーブルが車両に付属しているか
  • 実際に普通充電を行い、正常に充電開始・完了できるか
  • 満充電時のEV走行可能距離が極端に不自然ではないか
  • 駆動用バッテリーに関する警告灯や故障記録がないか
  • ディーラーなどで駆動用バッテリーの状態を診断できるか
  • 急速充電やV2Hなど、自分が必要とする装備・仕様が付いているか
  • 12Vの補機バッテリー不良と駆動用バッテリー不良を混同していないか

特に「満充電表示が何kmなら正常」という一本の線を作ってしまうのは避けたいところです。

EV走行可能距離の表示には、気温、暖房・冷房、直近の走り方などが影響します。冬に表示距離が下がっただけで、直ちに8.8kWhの駆動用バッテリーが大きく劣化したとは判断できません。

反対に、似た気温・似た経路・同じ充電条件で長期間比較して、以前より明らかに走れなくなった場合には、点検する材料になります。

駆動用バッテリーと補機バッテリーの違いも重要です。

8.8kWhや13.6kWhと呼んでいるのは、モーター走行を支える高電圧の駆動用バッテリーです。一方、車両システムの起動などには12V系の補機バッテリーも使われています。

「READYにならない」「電装品の動きがおかしい」といった症状だけで、駆動用バッテリー交換が必要とは判断できません。

また、高電圧バッテリーはDIYで分解・修理する対象ではありません。警告表示や継続的な性能低下が気になる場合は、適切な設備を持つディーラーや整備事業者で診断してもらいましょう。

※画像はAIによるイメージ

プリウスPHVの容量は「1日の走行距離」で選ぶと分かりやすい?

ここからは僕の考察です。

プリウスPHVを比べるとき、最大容量より「自分が1日に何km走るか」を先に考えるほうが、実際の選択につながりやすいと思います。

初代は4.4kWh、50系は8.8kWh、現行型は13.6kWhです。でも、たとえば毎日の走行距離が20~30km程度で、自宅で毎晩充電できる人なら、必ずしも最大容量の現行型でなければPHEVのメリットを得られないわけではありません。

50系の公称EV走行距離68.2kmに対して往復30kmなら、カタログ値上では走行距離に約38kmの余裕があります。

実走では冬季や高速道路などで短くなるため、その余裕をそのまま使えるわけではありません。それでも「30kmの生活圏に68.2kmの公称値」という関係なら、使い方を具体的に想像できます。

一方、毎日60~80km近く走る人なら話は変わります。

現行PHEVの86km、17インチ仕様102kmというEV走行距離のほうが、日常走行を電気だけで済ませられる可能性は高くなります。

さらに大切なのが、充電できる場所があるかです。

13.6kWhの大容量バッテリーでも、外部充電をほとんど行わなければ、PHEV本来の「外からためた電気で日常を走る」というメリットを十分生かせません。

逆に8.8kWhでも、自宅でこまめに充電して毎日の短距離移動へ使えるなら、その人にとっては非常に合理的な容量になり得ます。

僕はここが、単純なスペック比較では見落とされやすいポイントだと思います。

大きいバッテリーを買うことより、自分の生活で使えるバッテリーを選ぶこと。

プリウスPHVの4.4→8.8→13.6kWhという進化は確かに大きいですが、購入判断では「最大値」より「生活との一致度」を見るほうが失敗しにくいと考えます。


まとめ

プリウスPHVの駆動用バッテリー容量は、初代ZVW35が4.4kWh、2代目ZVW52・50系が8.8kWh、現行プリウスPHEVが13.6kWhです。

初代から50系では容量が2倍となり、50系ではEV走行距離68.2km、デュアルモータードライブ、バッテリー専用ヒーターなどによってEVとして使える領域が大きく広がりました。

現行PHEVでは13.6kWhへ拡大し、現在のトヨタ商品情報では19インチ仕様86km、メーカーオプションの17インチ仕様102kmのEV走行距離が示されています。

ただし、初代・50系の代表値はJC08、現行型はWLTCと試験条件が異なります。容量比だけから航続距離や効率を単純比較しないことが大切です。

中古50系を検討するなら、8.8kWhという新車時のスペックだけを見るのではなく、充電ケーブル、実充電、警告表示、駆動用バッテリー診断、必要な充電・給電機能まで確認してみましょう。

僕としては、「何kWhが一番大きいか」ではなく、「自分の1日の走行距離をどの容量なら無理なくカバーできるか」が、プリウスPHV選びで一番実用的な判断軸だと思います。


よくある質問

50系プリウスPHVのバッテリー容量は何kWhですか?

ZVW52型プリウスPHVの駆動用リチウムイオンバッテリーは8.8kWhです。トヨタが2017年2月15日に発表した公式諸元にも、総電力量8.8kWhと記載されています。トヨタ

現行プリウスPHEVは満充電で何km走れますか?

現在のトヨタ商品情報では、WLTCモードのEV走行距離は19インチタイヤ装着車86km、メーカーオプションの17インチタイヤ装着車102kmです。実際の走行距離は気温、エアコン、速度、道路状況などで変わります。トヨタ自動車WEBサイト

中古プリウスPHVはEV走行可能距離が短いとバッテリー劣化ですか?

表示距離が短いだけでは断定できません。気温や空調、最近の運転状況などでも変化するため、似た条件で継続的に比較し、気になる場合は駆動用バッテリーの診断を受けるのが安全です。

執筆:THUNDERBIRD(さんだーばーど)/駆け出しディーラー整備士ブロガー



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