自動ブレーキ機能を比較!国産メーカは、どこが高性能?

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国産メーカーのトヨタ、日産、ホンダ、スバルでは、はたしてどこが優れているのか、そもそも、自動ブレーキは信頼できるのか?

自動ブレーキについてまとめてみました。

この記事が安全に車の運転を楽しむためにお役に立てば幸いです。

自動ブレーキとは?

自動ブレーキとは

自動ブレーキは、正しくは「衝突被害軽減ブレーキ」と言われます。

自動ブレーキというと、つい、その言葉から、何もしなくても勝手にブレーキを掛けてくれるように思ってしまいますが、実際は少し違います。

あくまでも、緊急時に危険を回避してくれる機能という意味であって、勝手にブレーキをかけて止めてくれるわけではなく、例えば、障害物を検出するとアラームを鳴らしたり、減速したりするだけのものもあり、勝手に停止するわけではありません。

そりゃ、そうですよね。

車庫入れするときなどは、ぎりぎりまで壁に寄せて止めることだってありますし、縦列駐車で2台の車を停めるときは、かなり接近してからブレーキをかけます。

勝手にブレーキをかけて、強制的に停止してしまうと、ガレージには車を入れることができなくなります(笑)。

また、事故を抑止するためには、ブレーキ操作だけでなく、ハンドル操作して、よける、あるいは、レーンからそれるのを戻すといったこともあります。

今回は、前方に障害物があったときの衝突回避として、自動的にブレーキを掛けるために、障害物(車両、歩行者、自転車)の検出という点で考えてみようと思います。

自動ブレーキの機能と仕組みの違い

自動ブレーキの機能と仕組みは、一つではなく、さまざまなものがあります。

ここでは、代表的な自動ブレーキの機能と仕組みをみておきましょう。

カメラ方式

人間の目で見て判断するようにカメラで撮影して、障害物を検出します。

単眼で行うものと、人間のように2つの複眼で撮影して距離も計測するものもあります。

仕組みとしては分かりやすいものなのですが、欠点は、人間と同じで、『見えない』場合は、何もできないということ。

雨や雪など悪天候で視界が悪いときや、暗くなってからはカメラに映らないので、判定しようがありません。

また、逆光で眩しいときや、背景と同じ色の場合には、区別しにくいので障害物を検出できなくなります。

単眼よりも複眼の方が、障害物までの距離を正確に計測できるというメリットはあります。

しかし、2台のカメラが必要なのでコストがかかり、また、動画を処理するコンピュータも倍の画像を処理する必要が出てくるので、高価なシステムになります。

赤外線レーザー方式

赤外線を出して、その反射で障害物を検知します。

自ら赤外線を出しているので、暗闇でも『見る』ことができます。

ただ、赤外線レーザーの場合は、近距離しか計測できず、20メートル程度までの範囲しか障害物を検出できません。

言い換えれば、時速30キロ以下の低速走行でなければ、ブレーキが間に合わないので利用できないのです。

また、車両ぐらいの大きさしか見分けることができないので、歩行者や自転車などは検出できないとされています。

しかし、一方で、非常に安価に作ることがき、しかも、コンパクトに作ることが可能というのが大きなポイント。

そのために、軽自動車などの小さな車に採用されることが多くなっています。

ミリ波レーダー方式

赤外線と違って、ミリ波レーダーを使うと遠くまで障害物を検出することができます。

その距離200メートル。

ここまで見通せれば、高速走行でも利用できるので、クルーズコントロールなどにも使われています。

電波を利用するので、多少の雨や雪でも、利用できるのは他にない大きな特徴。

高性能なのですが、価格も高くなるので、オプションになっていることが多く、標準搭載は高級車になります。

また、すべて検出できるわけではなく、形状によっては、レーザーを吸収してしまうので、稀に検出できないケースがあります。

超音波方式

数メートルという至近距離しか検出できませんが、車を発進させるときに、死角に小さな子供が隠れているといった状況を把握することができます。

非常に安価に組み込めるので、バンパーに複数埋め込むといった使い方ができます。

自動ブレーキというよりも、発進時の警告や、バックでの衝突警告に利用されています。

過信してはいけない自動ブレーキ

自動ブレーキを実装するには、いくつかの種類があり、ぞれぞれの欠点を補うように、複数が組み合わされて搭載されていることが多いです。

だからといって、自動ブレーキで止まるからと、ブレーキペダルを踏まないというのは、やってはいけないこと。

そもそも自動ブレーキは、あくまでも緊急時の衝突回避のために設計されているので、ブレーキペダルを踏まなくても、自動的に止まってくれるわけではありません。

実際、過去には、自動ブレーキの体験試乗で、ブレーキを踏まなかったために激突してしまったという事故も起きています。

ちょっとした条件の違いで、動作しないこともあるので、決して過信することなく、運転手の責任で車をコントロールするということを肝に銘じておいてください。

余談ですが、自動ブレーキのことをよく分かっていない人は、何かあっても自動的に止まってくれると思って、車の周囲を十分に確認せずに運転している人もいます。

もし、そんな勘違いをしている人がいたら、事故を起こす前に注意してあげてくださいね。

トヨタの自動ブレーキ

トヨタ クラウン

引用元:https://toyota.jp/crown/design/?padid=ag341_from_crown_navi_design

対象物自動ブレーキが機能する速度
対車両10~180km
歩行者10~80km
自転車10~80km(昼間のみ)
夜 間対向車・歩行者に反応

※テレビ朝日『モーニングショー』2019/4/24より

トヨタの最新の自動ブレーキは、カメラとレーダーとで障害物を認識します。

引用元:https://toyota.jp/safety/scene/scenes/?padid=ag461_safety_top_common_scene_scenes01

細かいところまで解析できるので、車両、人、自転車を区別して判定することができ、これができるのは、今のところトヨタだけのようです。

対車両に対して検出するのは、時速10~180キロと定速から高速までカバーしています。

これだけの速度をカバーしていれば、まず問題ないでしょう。

歩行者も自転車も認識できるのは、時速10~80キロとなっているので、これだけの速度がカバーできていれば、街中で走るには十分です。

また、レーダーによる判別できるので、夜間であっても、車と歩行者を区別して認識することができます。

日産の自動ブレーキ

引用元:http://www.nissan.co.jp/CARLINEUP/SUPPORTCAR/

対象物自動ブレーキが機能する速度
対車両10~80km
歩行者10~60km
自転車作動せず
夜 間作動せず

※テレビ朝日『モーニングショー』2019/4/24より

日産の最新の自動ブレーキは、カメラとレーダーとで障害物を認識します。

引用元:http://www.nissan.co.jp/CARLINEUP/SUPPORTCAR/

単眼カメラですが、360全方位カメラで認識するので、左右の横から接近してくる車も検出します。

対車両に対して検出するのは、時速10~80キロ、歩行者は10~60キロなので、街中での走行では十分役立ちます。

ただ、高速走行には対応していないので、高速道路では機能しません。

もっとも、高速道路では、自動追尾のプロパイロットがあるので、そちらで対応できているとも言えます。

どちらかというと車両に関する検知能力が高いという特徴があります。

自転車や夜間には対応していないので、この点は注意が必要です。

ホンダの自動ブレーキ

引用元:https://www.honda.co.jp/ACCORD/

対象物自動ブレーキが機能する速度
対車両5~100km
歩行者5~100km
自転車作動せず
夜 間作動せず

※テレビ朝日『モーニングショー』2019/4/24より

ホンダは、ミリ波レーダーとカメラを組み合わせて自動ブレーキを実装しています。

引用元:https://www.honda.co.jp/tech/auto/cmbs2/topic1/

ちなみに、軽自動車やコンパクトカーは赤外線による自動ブレーキなので、時速30キロ以下で機能します。

対車両にも歩行者にも、時速5キロから100キロと、低速から高速まで検出することができるので、街中も高速道路でも機能します。

しかも、時速5キロなので駐車場内でも機能するので、安心ですね。

ただ、自転車や夜間には対応していないので、この点は注意が必要です。

スバルの自動ブレーキ

引用元:https://www.subaru.jp/levorg/stisport/

対象物自動ブレーキが機能する速度
対車両1~50m
歩行者1~35m
自転車1~50km(昼間のみ)
夜 間対向車・歩行者・自転車に反応

※テレビ朝日『モーニングショー』2019/4/24より

スバルの最新の自動ブレーキは、2つのカメラで障害物を認識します。

引用元:https_www_subaru_jp_safety_eyesight

多くのメーカーがイスラエルの企業『モービルアイ社』の単眼カメラで行っているのですが、スバルは独自開発した2カメラで実装しています。

2つのカメラ映像を使うことで、物体までの距離を正確に把握することができるようになっていて、他の自動車メーカーにはありません。

また、カラー画像で判定しているので、前方の車両のブレーキランプも認識することが可能。

夜間でも、カメラの感度を上げて画像認識を行うために、車両のみならず、歩行者や自転車も認識できるようになっています。

トヨタの自動ブレーキが最強!次いで、スバル!でも、最新の車で!

自動ブレーキの機能を考える場合に、どこのメーカーの車が安全なのか、気になるところですよね。

自動車事故対策機構(NASVA)と国土交通省は、2018年11月29日に、自動ブレーキの試験結果を発表しています。

そこでは、予防安全性能評価で、下記の6車種が最高評価の「ASV+++」となりました。

  1. トヨタ『カローラスポーツ』
  2. スズキ『ソリオ/ソリオバンディット』
  3. スバル『フォレスター』
  4. ホンダ『N-VAN』
  5. マツダ『アテンザ』
  6. 三 菱『eKスペース』

しかし、これらの技術は、その時点での評価であり、言うまでもなく日々、技術は進歩しています。

また、単純に自動ブレーキだけでなく、安全性を高めるには、ステアリング操作も自動化して、道路の端に避けるといったことも必要です。

自動ブレーキに限らず、障害物や周囲の状況をいかに把握するかが、これからの大きなカギになってきています。

そう考えると、この記事で紹介した、トヨタ、日産、ホンダ、スバルで比較してみると、認識する速度の範囲が広く、夜間でも検出可能であることを見ると、トヨタが一番優れているでしょう。

その次は、2つのカメラで判断しているスバルとなります。

ただ、これも、今の時点での話であり、また、自動ブレーキで考えた場合のこと。

今後、インターネットで接続されて周囲の情報をやりとりするコネクティッドカーや、完全自動運転が出てくるようになると、安全基準の考え方も変わってきます。

そして、単に安全性だけでなく、運転しやすいかどうかといったことは、個人によっても異なるので、そこは試乗して確かめてみることが大事ですよね。

また、繰り返しになりますが、日々、進化する技術なので、常に最新の車種をチェックすることを忘れずに!

今回の記事が、安全な車選びの上で、参考にしていただければと思います。

キャッチ画像引用:https://www.subaru.jp/brand/technology/story/eyesight.html

この記事を書いた人

あき
初代日産エクストレイルに未だに乗っている。とにかく、めちゃくちゃ気に入っているので、徹底的に乗りこなすつもり。ただ、一方で、EVや自動運転、コネクテッドカーなどにも興味津々。よろしくお願いします。

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