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クルマの速度とエンジン回転を操るのに欠かせないギヤチェンジ。
現在日本で主流となっているものはオートマですが、マニュアルとオートマにはそれぞれどんなメリット、デメリットがあるのかを考えてみます。
マニュアル(MT)車とは?オートマ(AT)車との違い
マニュアル車とはシフトチェンジをドライバーが行なう必要があるクルマのことで今日の日本の乗用車新車販売の中ではわずか2パーセントと絶滅危惧種ともいえるような状態になってしまっています。
免許もオートマ限定しか持っていないことやオートマのメリットが増えてきたこともこうした比率の要因といえるかもしれません。
違いはペダルとシフトレバーでギヤを変えるのですが、自転車のギヤを状況に合わせて自分で変速していくのがマニュアル車のイメージです。
つまり運転する中で自分で選択する分野が多く、思いのままに動かしたいその期待に応えることができるのがマニュアル車ともいえます。
マニュアル(MT)車はメリットが多いってホント?
マニュアル車はメリットが多いです。
まず、なによりも間違いや操作ミスが起きにくいのがマニュアル車です。
最近よく耳にするアクセルの踏み間違えなどはマニュアル車ではまず起こりません。
左足が仕事をしない限りはいくら間違えてアクセルを踏んでもクルマは動かないからです。
昨今の踏み間違いによる事故の増加から誤発進防止機能が安全装備に追加されるようになりましたが、細やかな制御アシストによってクルマの値段はますます高くなってしまいました。
またマニュアル車は自分の思い通りにクルマを動かせるのも良いところです。
クルマには1番力強く走れるエンジン回転数であるパワーバンドというものがあり、その回転数で走る気持ち良さはオートマでは決して味わえません。
自分のイメージとはまったく違ったところでシフトチェンジされるとけっこうなストレスです。
例えば上り坂で下のギヤで引っ張っていきたいのに勝手にシフトアップして力がなくなってしまったり、下り坂ではコーナー手前で減速したいのに直前でシフトアップして加速しようとしたりします。
私たちドライバーは目視で道路状況を確認していますが,オートマはそれを度外視されてしまっているのでマニュアルのようにはいきません。
でもそれをしたいならオートマもそれなりにシフト操作が必要になりますがそれは後ほど扱います。
また同様に走りたいときには走り、減速したいときにはエンジンブレーキを十分活用できます。
エンジンブレーキを活用することによってブレーキを踏む機会がグッと減ります。
それでオートマ車がブレーキパッドを5万キロ、もしかするともっと短い距離で交換しなければならないのに対して、マニュアル車は上手な乗り手なら10万キロもしくはそれ以上交換無しで走れてしまいます。
これは部品代や作業工賃を考えると意外と大きな違いで、マニュアル車の実際的なメリットの1つともなっています。
加えてブレーキランプが切れてしまうということもオートマ車よりずっと少ないです。
さらに新車で購入する場合、大抵はマニュアル車の方が車両本体価格が安いのもメリットです。
ただ反対にクルマによってはリセールバリューが良くなったり悪くなったりしますので注意したいですね。
また特定のグレードでしかマニュアルは選べないので装備があまり良くないというデメリットもあります。
スポーツタイプなら問題ないですが普通車だと査定がガクンと下がることもあるかもしれません。
ずっと乗り続けるつもりならマニュアル車は本当にオススメなクルマです。
オートマ(AT)車とは?マニュアル(MT)車と比較
マニュアル車に対してオートマ車というのはクルマが任意に最適なシフトを選んで切り替えていってくれるもので現在のクルマには通常のオートマとCVTと呼ばれる無段階変速のオートマがあります。
CVTは最近特に増えてきていて通常のオートマよりも多くなりました。
なぜ増えてきたのかといいますとCVTは金属のベルトを2つのプーリー(滑車)を使って制御するのですが歯車を切り替えたりすることがないので変速ショックがないというのと、エネルギー伝達ロスが少なく燃費が良くなるというのがその大きな理由です。
ですので燃費を重視したモデルはほぼCVTが採用されています。
時々通常のオートマを6速以上に切り替わる多段変速機によって、走りの楽しさを失わせずに燃費もバランスをとったクルマも出されています。
マニュアル離れ、クルマ離れが顕著な中、個人的にはこうしたクルマも評価してあげたいです。
昔のオートマを知っている方にとってCVTははじめ違和感を覚えるでしょう。
私も初めて乗ったときはなんだか気持ち悪い感じでした。
それくらい変速のショックがなくウルトラスムーズなのです。
慣れてくるととても快適な室内空間、運転感覚となります。
オートマ(AT)車のメリットとデメリット
メリットは、なによりもやはり燃費でしょう。
1つの国産のコンパクトカーを挙げてみますと、マニュアル車のスポーツモデルとCVTのハイブリッドモデルでは15Km/Lほどの差が出てしまいます。
別のコンパクトカーでは6速オートマ車よりも6速マニュアル車の方が少しだけ燃費が良かったりしますので一概には言えませんが最近はおおよそ燃費が良いのはオートマ車になってしまいました。
これはとても大きな違いで車両本体価格が変わらなければ大半はオートマを選んでしまうでしょう。
そしてやはりスムーズさ、静かさもオートマのメリットです。
街乗り使用であればそれほど不満は出ないでしょう。高速走行でもCVTはそれほどエンジン回転数が上がらず燃費に影響しないこともメリットです。
デメリットとしてはエンジンにパワー不足を感じたりエンジンブレーキを使用したい時になかなか思うようにいかないというところですが、これはシフト操作を多少してやることを覚えたり、今はターボ車などだとハンドルにパドルシフトなどが付いていますのである程度マニュアル車のように切り替えることができます。
オートマの1番大きなデメリットとしては故障したら直すのが困難だということです。
クルマの保証期間内であれば修理をお任せできるところではあるのですが、ある程度乗って壊れてしまった場合、修理費が高いので買い替えることにする方がほとんどです。
中古品を見つけるにしてもリビルト品(悪いところを取り替えた再生品)を使うにしてもオートマをごっそり付け替えることになるので部品代も工賃も安くはないです。
これが1番心配の多いリスクですね。
オートマ(AT)、マニュアル(MT)どっちを選ぶ?
ここまで見てきてどっちを選んだらいいの?ということなのですが、先ほど考えたオートマ車の1番のデメリットはおもに10万キロを超えて乗った場合に生じる問題です。
それ以下の場合は大抵不具合は出ませんし、メーカー保証として直してくれるでしょう。
でもエンジンはまだまだ元気なのにオートマのせいで突然乗り換えを迫られるのを何度か見てきました。
少し前のことなので今はよくなってきているかもしれませんが故障した時にお金がかかるのは間違いないです。
マニュアル車も長く乗ればそれなりにメンテナンスが必要になります。
といっても国産車であれば15万キロくらいは問題ないですが、エンジンの動力を変速機に伝えているクラッチ板の交換が必要になりますので、その時はエンジンやミッションを下ろして作業するような費用がかかります。
それでもシンプルな分壊れにくいのはマニュアルと言われています。
乗り換えを視野に入れるのであればリセールバリューを尋ねてみるのもいいかもしれません。
試乗ではほとんどマニュアル車はありませんので大抵の方はオートマを選択されると思います。
マニュアル車のように楽しめるクルマもたくさんありますので、どうしてもマニュアル車ということでなければオートマ車をじっくり試乗して見つけてみることもオススメいたします。
なによりも自分のクルマ生活にピッタリのものを見つけることが後悔しない秘訣になることでしょう。
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