アイスバーンとは？路面凍結時の注意点を詳しく紹介します！

アイスバーンとは冬場に発生する雪面が凍結して氷のようになった場所のことを指します。

凍結によって摩擦係数が小さくなっているので運転をするのには非常に危険な路面状態と言えます。

アイスバーンの語源はドイツ語で、意味はアイススケート場という意味があります。

今回はアイスバーンの意味と路面凍結時の注意点についてご紹介していきます。

よく聞くアイスバーンとは？

雪が降り積もったあとに、日中日差しによって雪解けが進むと夜中に気温が下がったときに雪解け水が凍ります。

この凍った時にできあがる路面が、アイスバーンです。

アイスバーンは凍った路面ですが、凍っていない雪道でも運転には注意が必要です。

アイスバーンになる前の圧雪路と呼ばれる状態もハンドルがとられやすく運転するのには、いつも以上に注意が必要です。

圧雪路は降雪後に車が走ったことにより雪が踏み固められた道路のことを指します。

凍結していない状態であれば、スリップする危険性がない分アイスバーンよりは危険は少ないです。

しかし、溝ができていたり雪が踏み固められて滑りやすくなっていたりする場所があるので、気をつけましょう。

アイスバーンの種類のひとつにミラーバーンと呼ばれる状態があります。

圧雪路がさらに進んだ状態で雪道を車が何度も通ることによって、鏡のように磨き上げられた路面になることがあります。

この現象は特に交通量が多い交差点付近で発生しやすく、滑って停車できなかったり、発進時にスリップする原因にもなったりする危険な状態と言えます。

他にもアイスバーンの種類にブラックアイスバーンと呼ばれる路面状態があります。

雨などが原因で濡れた路面の水分が凍結することによって薄い氷の膜ができた状態のことを言います。

このブラックアイスバーンは雪があまり降らない地域であっても、真冬の氷点下になった早朝や夜中に発生しやすいです。

ブラックバーンと呼ばれるのは、濡れたアスファルトのように黒く見えることが名称の由来となっています。

見た目だけでは凍結していることが分かりにくいのがブラックバーンの怖いところと言えるでしょう。

アイスバーン、路面凍結時の注意点！

引用：https://tire.bridgestone.co.jp/blizzak/swd/advice.html

アイスバーンになりやすい場所にはいくつかの条件があります。

まず橋の上でアイスバーンが起こりやすいと言われます。

橋の上は地面から離れているため、地熱の影響が受けにくいからです。

さらに風通しが良いことが多いので他の場所に比べて気温が低くなります。

そのため路面が凍結してアイスバーンになりやすいのです。

他にもトンネルの出入り口付近も風通しがよく日陰になることが多いので気温が下がりやすくアイスバーンになりやすいポイントと言えます。

また交差点付近の道路も車が停車と発進を多くする場所なので、雪が踏み固められてアイスバーンになりやすくなります。

これらのようなアイスバーンの路面では「急」がつく動作をしてはなりません。

引用：https://tire.bridgestone.co.jp/blizzak/swd/advice.html

言うまでもなくアイスバーンとなっている場所は滑りやすくなっています。

急ハンドルをすれば曲がり切れず滑ってしまうことでしょう。

急にハンドルを切ってもカーブで曲がりきれないので、カーブに進入する前からしっかりと減速することが大切です。

もしスリップ状態になってしまったときは、アクセルペダルから足を離してスリップした方向と同じ方向へハンドルを切りましょう。

これをカウンターステアリングと呼びます。

カウンターステアリングを当てるときに焦って滑っていく方向と反対側にハンドルを切ってしまうとクルマは完全に回転してしまいます。

例えば右方向に車が滑っていくときに、左側にハンドルを切ってしまうとクルマは左向きに回転を始めます。

もし、これが左カーブならば左側の壁などに対して衝突してしまうことでしょう。

周りに何もないような場所だったら1回転して終わりですが、日常の運転においてそのようなケースはなかなかありません。

スリップしている時に滑っていく方向と同じ方向にハンドルを切ると壁やガードレールなどの障害物に向かってハンドルを切ることになるので怖いと思うかもしれません。

ですが、ハンドルを滑っていく方向と同じ方向に切り始め、滑るのが止まったらハンドルを戻して、曲がりたい方向にハンドルを切りなおすといいでしょう。

もし、可能であればスリップが収まったら後続車に注意して一度停止してしまった方が安全です。

アイスバーン時スタッドレスでも走行は要注意！

スタッドレスタイヤを装着していれば、アイスバーンの道でも大丈夫だと思っていませんか？

スタッドレスタイヤを装着しているからといって、絶対に滑らないわけではありません。

そもそもスタッドレスタイヤとはスパイクタイヤとの対比で生まれた呼び名です。

「スタッド」の意味は鋲（びょう）です。

レスは「～（が）ない」という意味です。

スパイクタイヤは鋲が打ちこまれたタイヤのことを指す名称です。

引用：https://www.y-yokohama.com/global/product/tire/tires/passenger/iceguard_ig55/

スパイクタイヤに打ちこまれている鋲は金属製で主にバナジウム鋼が使用されていました。

スパイクタイヤは凍結路でも非常に安定した走行が可能だったのですが、積雪の無い道路で走行をするとアスファルトを削り道路を傷めて、粉じんを発生させる欠点がありました。

このことから現在では一部の道路を除いてスパイクタイヤを装着しての走行が禁止されています。

スタッドレスタイヤは滑る度合いが夏タイヤに比べて少なくなっているという認識でいないと、いざ滑った時に困ることになります。

スタッドレスタイヤと夏タイヤの異なる点は、ゴム質です。

スタッドレスタイヤのほうが夏タイヤに比べてゴムの質が柔らかく作られています。

なぜ柔らかくなっているのかというと、車重がタイヤにかかったときに接地面積が夏タイヤより大きくなるからです。

接地面積が大きくなれば、その分しっかりと路面をキャッチすることができるので滑りにくくなります。

引用：https://www.y-yokohama.com/product/tire/iceguard_6/#iceGuard_Tit02

また凍結した路面でのグリップ力向上のために、気泡を含んだゴムを使って吸水・空着効果を向上させ、ガラス繊維などをゴムに練り込んでひっかき効果を高める工夫をしているタイヤもあります。

これらの混入物が表面にしっかりと出ていなければ、効果を最大限には活かせません。

そのため各メーカーはタイヤの慣らし運転を推奨しています。

慣らし運転をすることにより、タイヤが一皮むけた状態になるのでスタッドレスタイヤ本来の性能を発揮できるようになります。

しかし、タイヤの溝の深さが新品状態から半分以下になると本来の性能が発揮できなくなります。

スタッドレスタイヤには滑り止めとしての使用限度を示すプラットフォームと呼ばれるものがあります。

引用：https://www.y-yokohama.com/brand/tire/iceguard/recommend/check/

残溝が少なくなるとこのプラットフォームがタイヤの表面に浮き出てくる仕組みです。

しかし、溝があっても実用限度を超えた3～4年以上のタイヤやオフシーズンの保管状態が悪かったりすると、ゴムが劣化して走行に悪影響が出てきます。

ですが先述したとおり新品の状態でも雪上・氷上性能は摩耗した状態よりも低いので注意が必要です。

雪上での走行にはタイヤチェーンの装着も効果的です。

引用：http://www.c-nexco.co.jp/special/snow/info.html

4WDならば新雪でもスリップしてしまう心配は少ないですが2WDならば、タイヤチェーンがあったほうが安心です。

タイヤチェーンは雪上でないと不快な振動が気になりますが、スタッドレスタイヤだとそのようなことにはなりません。

スタッドレスタイヤだけだと雪上走行に不安があるならば、タイヤチェーンも合わせて装着してもいいでしょう。

冬のドライブはいつも以上の安全運転を心がけましょう。