スタッドレスタイヤの点検方法とは？おすすめのお手入れ方法を紹介!

スタッドレスタイヤとサマータイヤでは点検方法が違うことを知っていましたか？

正しい点検方法であなたのタイヤがまだ使えるのかを解説します。

スタッドレスタイヤの点検ポイントとは？サマータイヤと点検ポイントが違う？

ここ数年各地で極端な気象現象が起こることも珍しくなくなってきました。

突然の大雪予報で、あわてて冬タイヤに履き替えることもあるかと思います。

あなたがすでにスタッドレスタイヤをお持ちの場合はそのタイヤが今シーズンも使用できるのか迷いませんか？

ガソリンスタンドやカー用品専門店でみてもらう前に自己チェックすることをお勧めします。

なぜなら、ガソリンスタンドやカー用品店ではまだ使えそうでも新品を勧められるかもしれないからです。

それでは簡単にできるスタッドレスタイヤの点検ポイントをお伝えします。

サマータイヤとしての使用限度はスリップサインというあらかじめタイヤに設定された箇所で判断できます。

スリップサインは以下の写真にあるタイヤショルダー部に数カ所ある三角マークのほぼ延長線上にあります。

タイヤのメーカーによってはこの三角マークがその他のマークのこともあります。

例えばミシュランタイヤはビバンダム君（ミシュランマン）がスリップサインの表示マークです。

この延長線上のタイヤの溝部分にある少し盛り上がった印の深さがタイヤの使用限度値である1.6ミリです。

道路運送車両法の保安基準では、1.6ミリ以下は走行禁止です。

この深さとタイヤの溝の深さが同じであった場合、走行は危険です。

もちろん車検も不適合となります。

次にスタッドレスタイヤの限界値ですが、以下の写真を見てください。

タイヤ側面部に刻印された矢印をたどっていくとトレッド部の溝の中に発見できます。

これはプラットホーム（黄丸部分）と呼ばれていて、スリップサインとはべつの位置に印があります。

比べてみるとすぐにわかるのですが、スリップサイン（青丸部分）よりも高い位置に設定されています。

正確には新品時のタイヤの深さの50%の位置にあります。

言い換えるとスタッドレスタイヤの溝の深さが新品時よりも半分（50％）磨耗してきたら、冬用タイヤとして限界なのです。

プラットホームが露出していたなら、新しいスタッドレスタイヤに交換しましょう。

スタッドレスタイヤの一番の目的は積雪時や凍結時にスリップを防止することです。

低温時に効果を発揮するためタイヤのゴムの材質がサマータイヤとは違い、コンパウンドの配合の違いで柔らかいゴムを生成しています。

この柔軟性によりタイヤと路面との接地面積が増え、サイプと呼ばれるトレッドに刻まれた細かい溝で氷を引っかきスリップを防ぐことができます。

タイヤがスリップする原因は雪上や氷上とタイヤの間に形成された薄い水の膜です。

引用：https://www.bridgestone.co.jp

タイヤに気泡を入れたり、吸水させたり、タイヤに穴を空けるチップを配合させたり等各メーカー工夫を凝らしてタイヤ接地部の水分を除去しています。

これらの機能が発揮できなくなる目安としてプラットホームを設定して交換をお知らせしているのです。

スタッドレスタイヤの寿命はどのくらい？取換えの目安や交換時期は？

スタッドレスタイヤの寿命と取換えの目安

スタッドレスタイヤの寿命はサマータイヤよりも短いです。

必要な時期に装着し、積雪、凍結のおそれがなくなったら速やかに夏タイヤに交換するという適切なサイクルで使用した場合一般的に3シーズンです。

（タイヤメーカーによっては4シーズンと謳っています。）

意外と短いと思われたのではないでしょうか？

走行距離が長いなど使い方によっては3シーズンもたないです。

もったいないので、3シーズン以上使いたいたいと思うかもしれません。

特にプラットホームよりも溝が深い場合です。

もしあなたのタイヤが購入時から3年以上経過していれば、点検、交換を考えたほうが良いです。

なぜなら柔軟なゴムが経年劣化により硬化してしまうと路面に密着せず、冬タイヤとしての性能を発揮できなくなるからです。

ゴムが硬くなっているのかよくわからない場合は新品のスタッドレスタイヤのトレッド面と触り比べると良くわかります。

この弾力性が失われているのであれば交換してください。

それでもわからなければ、販売店で相談してみてください。

店舗によっては硬度計で測定してもらえます。

また段差や縁石などに乗り上げたなどの原因で気づかない間にタイヤに傷ができていることもあります。

ひび割れや偏磨耗も交換の目安になりますので注意深く点検してください。

夏タイヤとして使えるの？

冬タイヤとして限界なのであれば、夏タイヤとして使用すれば良いのではないか？

そのように考える方もいるかもしれません。

実は私もその一人でした。

まだスリップサインまでは溝はあるので使ってみたことがあります。

これは経験しないとわからないことなのですが、サマータイヤとはゴムの性質が違うので制動距離が長いのです。

梅雨時期にスタッドレスタイヤを履いていて非常に怖い思いをしました。

雨の日に動物がいきなり飛び出してきて急ブレーキを踏んだのですが、夏タイヤと比べものにならない位止まりませんでした。

いくら気をつけて安全運転していたとしても、サマータイヤの感覚で走るのは危険です。

各タイヤメーカーも使用限度を超えたスタッドレスタイヤの使用は、通常タイヤよりも性能が劣るため、夏タイヤに履き替えを推奨しています。

スタッドレスタイヤの交換時期はいつ？

ではスタッドレスタイヤはいつごろから履き替えたらよいのでしょうか？

厳密に何月とは言い切れませんが、本格的なシーズンに入る前に早めに交換するのがベターです。

シーズン直前はお店が混雑しますし、突然の降雪予報により需要が急激に増えると欠品の可能性もあるからです。

また新品タイヤの性能を発揮するには舗装路での100キロ以上の慣らし走行が必要になりますので早めの備えが安心です。

スタッドレスタイヤのおすすめのお手入れ方法を紹介

サマータイヤに交換するのが遅れるとそのタイヤは次のシーズンで使えなくなることもあります。

春になり気温が上昇してきたら早めにサマータイヤに交換するのが基本です。

取り外したスタッドレスタイヤを長持ちさせるためのお手入れと保管方法をお伝えします。

タイヤは紫外線や熱等でダメージを受けますので、直射日光や雨水の当たらない屋内での保存をお勧めします。

屋内であっても水銀灯や、化学薬品、油脂などゴムを劣化させるものが付近に無いようにしてください。

屋内での保存が難しい場合は、紫外線を保護するようなタイヤカバーをかけておくと良いです。

できれば風通しの良いタイヤラックなどにおくのがベストです。

またホイール付きの場合は接地部の負担を減らすためになるべく平置きにして空気圧を通常の半分ほどに減らしておきます。

保管スペースにお困りの場合は、カー用品店やディーラー等の保管サービスを利用する方法もあります。

有料サービスではありますが、盗難の心配もなくタイヤにベストな環境で保管してもらえます。

次回スタッドレスタイヤに交換してもらう際に重たいタイヤを車に積み込む労力がかからないのは楽ですね。

保管する前にはタイヤに凍結防止剤などが付着していることもありますので、水できれいに洗って乾燥させてから保管してください。

カー用品店やホームセンターには紫外線による劣化防止のためのタイヤコーティング剤やスプレー等が販売されています。

タイヤ艶出し剤の中にはタイヤの劣化の原因にもなる成分を含んだ製品もあるので注意してください。

そして次シーズンの装着時にはタイヤのローテーションをおすすめします。

ご自分のガレージで取り外す際はそのタイヤがボディのどの位置についていたか予めマーキングしておくと次のシーズンに役に立ちます。

『右前』『右後』『左前』『左後』と見てすぐにわかるように書いておきましょう。

カー用品店などで作業を依頼する場合はローテーションシールをタイヤに貼ってもらえます。

タイヤは駆動輪や操舵輪等装着場所によって受ける力が異なるので磨耗の進行具合が違います。

厳密には空気圧管理や積載量、急ハンドル急ブレーキなどの運転の癖やアライメントのズレなどさまざまな要因で偏磨耗が起きます。

これらを少しでも防止してタイヤの寿命を延ばすために定期的にタイヤのローテーションを実施してください。

スタッドレスタイヤの場合は装着期間がサマータイヤに比べて短いのでシーズン毎のローテーションで充分です。

タイヤのパターンによってはタイヤの回転方向が指定されたスタッドレスタイヤもあります。

それに気づかずに左右を間違えてつけてしまうとタイヤの性能を発揮できなくなりますので注意が必要です。

前後で異形サイズのタイヤを装着の場合はローテーション不可ですので注意してください。

スタッドレスタイヤは各メーカーの最新の技術や素材の工夫により開発コストが相当かかっていると聞きます。

そのためサマータイヤより高額にはなりますが、各社の苦労が詰まったすばらしい製品ですので上手に使って長持ちさせたいですね。