エキゾーストマニホールドは地味?でもエキマニで派手にパワーアップ!?

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エンジンを搭載したクルマで、チューニング好きな人ならきっと知っているエキゾーストマニホールド。

え?聞いたことない?では、タコ足?もしかしたらエキマニは?

エキゾーストマニホールドのお話です。

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エキゾーストマニホールド(エキマニ)とは?

エキゾーストマニホールドは英語でexhaust(排気)とmanifold(マニホールド)が合わさった言葉で、exhaust header(アメリカ英語)やexhaust extractor(イギリス英語)とも呼ばれているそうです。

外観では派手に見えるマフラーとは違って、エキゾーストマニホールド(以下エキマニ)が搭載されているクルマかどうかは、一見するとわからないでしょう。

でもチューニングされたクルマのエンジンルームを覗いて見ると、エンジンブロックから生えたような、まるでタコの足のような姿のエキマニを目にすることがあります。

エキマニは、その容姿からタコ足とも呼ばれるますが、地味なパーツだと思われるかも知れません。

ではエキマニについて、順を追って説明しましょう。

そもそもエキゾーストマニホールドの言葉にあるエキゾーストは排気を意味しますが、排気と言えば先ほどの派手なマフラーを思いつく方が多いでしょう。

引用:https://toyota.jp/supra/performance/?padid=from_supra_navi_performance

またマニホールドという言葉は、聞き慣れない方も多いかも知れません。

容易に理解を深めるため、まずはエキゾーストとマニホールドについて、説明しましょう。

エキゾースト(排気)とレシプロエンジン

エキゾースト(排気)を説明する上で、現在あるエンジンで最も多く作られているレシプロエンジンの仕組みを紹介します。

レシプロエンジン

引用:https://toyota.jp/supra/performance/?padid=from_supra_navi_performance

レシプロエンジンは、往復運動を行うシリンダーとピストンを内蔵したエンジンの仕組みで、その例として、吸気用カムと排気用カムの二つのカムをエンジン上部に持つ、DOHCエンジンなどの言葉もどこかで耳にされたことはないでしょうか?

ちなみにDOHCは、Double Over Head Camshaftを省略した言葉で、エンジン上部にある吸気と排気の二つのカムを持ったエンジンを表す言葉です。

レシプロエンジンの基本的な動作は、次の①~④の4つの工程で成り立ちます。

①吸気/クランクシャフトが回転して、クランクシャフトに連結されたピストンが下がり、吸気バルブが開くと、エアインテーク(吸気)から取り入れた空気と、燃料のガソリンの混合ガスがシリンダー内に送り込まれます(直噴式は、シリンダー内に直接ガソリンを噴射します)。

②圧縮/さらにクランクシャフトが回転すると、シリンダ内のピストンは上昇して、混合ガスは圧縮されます。

③燃焼/シリンダー内で点火プラグがスパークして、混合ガスが大爆発を起こして燃焼し、ピストンを押し下げます。

この時、爆発のエネルギーによって、ピストンが押し下げられた力を、クランクシャフトを介して回転力(トルク)に変換して、クルマが走る力を生み出します。

④排気/さらにクランクシャフトが回転を続けて、ピストンは上がる動作になり、排気バルブが開いて、シリンダー内の燃えカスを排気して、上記①の工程へと戻ります。

上記④排気工程で発生した燃えカスはシリンダーの数だけ排気経路があり、4気筒のエンジンであれば4つのシリンダーがあるので、4つの排気経路から出てきた排気ガスが、ぶつかりあって1つのマフラーを通して外に排出されることになります。

エキマニは、エンジンから出てくる排気ガスの排気効率を良くしようとするパーツです。

マニホールド

マニホールド(manifold)という言葉自体は、多岐に分岐したり集合させるという意味を持っていますが、油圧機器や空圧機器ではマニホールドを取り入れることで、複雑な経路を一つのブロックにして、コンパクトに作ることが可能になります。

マニホールドで重要なことは、複雑な経路を流れる流体エネルギーの損失を少なくすることで、逆に言えば、マニホールド内の流体が流れる効率を上げるということになります。

クルマに使用されるエキゾーストマニホールドの場合は、V6の6気筒エンジンであれば計6経路の排気経路の、V12の12気筒エンジンであれば計12経路の排気効率を上げて、エンジン効率を上げようとするものです。

引用:https://toyota.jp/86/performance/

排気効率が悪いエンジンは、ピストンを押し下げる力が妨げられてエンジン出力を低下させますが、排気効率を改善することで、本来エンジンが持つ純粋な出力を発生させてくれるのです。

エキマニで排気の効率を上げる方法として、排気ガスの流れる経路の長さを均等にする設計方法と、経路の長さをあえて変えて、複数から出てくる排気ガスの合わさり方を変えて効率を上げる設計方法があります。

エンジン出力に関するエキゾーストマニホールドの大切な役目をご理解いただけたでしょうか?

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エキゾーストマニホールド(エキマニ)から鳴るエンジン音?

ところで、エンジン音はどこからやってくるのでしょう?

エンジン音の元は、エンジン内部で起こる爆発音に始まります。

引用:https://toyota.jp/86/performance/

エンジン内で爆発してできた排ガスは、ピストンに押し出されて、排気バルブを通ってエンジンのすぐ外にあるエキマニへと移動し、通常は触媒と呼ばれるフィルターを通りぬけて、最後はマフラーの中を通って外へと排気されます。

ですので爆発音から始まって、すぐに排気ガスが排気管内に高速で流れていく音から始まるのがエンジン音なのですから、エキマニからエンジン音が始まっているといっても間違いではないでしょう。

また一般的に、純正マフラーは静音性を目的とするのでエンジン出力は犠牲になりますが、社外製マフラーの場合はエンジンの排気を良くして、エンジン出力を向上させる代わりに、静穏性が犠牲になってマフラーからの騒音は大きくなります。

エキゾーストマニホールド(エキマニ)の効果は?

引用:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/corporate/pressrelease/products/detail497.html

1995年当時は、WRCで勢いのあった三菱に見られたように、今の三菱には無い元気と活気があった時代です。

そんな三菱が元気だった時代、1.6L直列4気筒DOHC16バルブのNAで、ノーマルでは3000回転から変化するMIVECエンジンを搭載したミラージュアスティに、RS仕様という競技ベース用のクルマが販売されていました。

当時販売されていたZR仕様とRS仕様は、いずれもフルエアロを装備した同じエンジンスペックのツードアクーペで、175馬力と最大トルク17.0kg・mはカタログ数字の上では、スペック回転数こそ微妙に違うものの、ほとんど同じスペックのクルマだったのです!

引用:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/11/Mitsubishi-Colt-2799.jpg?uselang=ja、パブリックドメイン

でもRSには標準仕様で、専用エキマニとクロスミッションが搭載され、センターパネルのタコメーターはレッドゾーンが8000回転ほどの10000回転までのホワイトメーターが装備されて、しかも価格はZRよりも定価で50万円ほど安いという、クルマ好きにはたまらない仕様のクルマだったのです。

ただし、ボディカラーは白一色、エアコンはオプション、当然ホイールは鉄製のドノーマルで、ドアミラーも集中ドアロックも無いクルマ!というのが、よりRSの魅力を高めてくれました。

エンジンに専用エキマニを搭載したRSと、ノーマルのZRですが、その真価は排気マフラーを交換したことで違いを感じることになりました!

友人が乗っていたZRの人工的な感があったマフラー音に比べると、エキマニを搭載したRSのサウンドにはビビり音のようなノイズが無くてクリアで、さらにワコーズ4CRの素晴らしいエンジンオイルを入れることで、滑らかに8000回転へと吹き上がりました。

RSの回るエンジンを楽しむのなら、ロールの無い足回りと、ボディ剛性を高めてくれるストラットタワーバーの導入はおすすめです!

エンジンサウンドもさることながら、今となってはクロスミッションの効果だったのかはわかりませんが、加速時のパワー感はノーマルZRよりもRSに軍配があったのは明らかで、個人的な体感馬力は1割から2割アップといった感覚を覚えました。

効率的なエキマニを装備したエンジンは、出力を重視したマフラー音とシンクロすることで、奏でられるサウンドの魅力は、単なる派手という言葉では表現できません

ミラージュアスティRSは、良くも悪くも私のクルマ人生の中で、エキマニの素晴らしさを教えてくれた貴重な1台になりました。

だからこそ、三菱には頑張って欲しいと願うファンの一人が私自身なのですが、あなたもミラージュRSの魅力にハマっちゃうかも?

この記事を書いた人

yoshiaki1974.7
心はクルマ好き少年のまま、気付けばオジサンになってしまった40代エンジニアの語らう思いを届けましょう。



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