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スリップサインとは、残り溝の深さが1.6mmと示す目安です。
摩耗により残り溝の深さが1.6mm以下にすり減ったタイヤで公道を走行するのは違法です。
なぜタイヤの溝が減ると危険なのかをご存じでしょうか。
今回はタイヤのスリップサインについて説明していきます。
タイヤのスリップサインとは?
タイヤは日々の使用によって、少しずつ摩耗し、タイヤがすり減っていき、溝がなくなっていきます。
公道を走るタイヤにはどのメーカーのタイヤにも溝があります。
その溝の中にスリップサインが埋め込んであります。
他の溝の部分と比較して、そこだけボコッと盛り上がっているのが分かると思います。
このスリップサインは新品タイヤの残溝が8ミリあるのに対して、スリップサインは溝の底から1.6ミリの位置にあります。
引用:https://www.y-yokohama.com/product/tire/tireseminar/
スタッドレスタイヤではスリップサインに対して、プラットホームと呼ばれるモノが付いています。
このプラットホームはラジアルタイヤ(夏タイヤ)には付いていません。
プラットホームはスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)だけにしか付いておらず、スタッドレスタイヤの限界性能を表す目安なのです。
この目安であるプラットホームは、新品の溝の深さから50パーセントの位置、つまり新品から半分、タイヤがすり減ったことを表すのです。
スタッドレスタイヤはこの溝が半分以下になるとスタッドレスタイヤとしての性能が発揮できません。
このプラットホームが摩耗していくと、残溝1.6ミリの位置でスリップサインが現れます。
雪上でなければ、タイヤとして排水性能はあるので走行に問題はありませんが、スタッドレスタイヤとして寿命を迎えているので安全のために交換したほうがいいでしょう。
タイヤのスリップサインの確認方法を紹介!
引用:https://www.y-yokohama.com/product/tire/tireseminar/
タイヤのスリップサインの確認はとても簡単です。
わざわざガソリンスタンドやディーラーに持ち込まなくても、オーナーが目視で確認できます。
まずは、タイヤの側面(サイドウォール)に三角形の刻印があるのでそれを探します。
タイヤのメーカーにより個数の差はありますが、4ヶ所から9か所ほどあると言われています。
スリップサインはひとつだけではなく、全ての溝に対してあるのでチェックする時はまとめて確認するようにしましょう。
タイヤのすり減りかたが全ての溝、均一に減っていればいいのですが、なかなかそうキレイに溝は減っていきません。
空気圧が規定値より低下していると、ショルダー摩耗と呼ばれる減り方をしていきます。
ショルダーに近い部分がすり減っていくためこのように呼ばれます。
引用:https://www.y-yokohama.com/product/tire/tireseminar/
ショルダーとは、トレッド面(タイヤが地面と設置する部分)とサイドウォールの変わり目辺りです。
つまり、タイヤの外側と内側の両方から早く摩耗していくことになります。
ショルダー摩耗の対策をするには、タイヤの空気圧点検を月に一度するように習慣づけるといいでしょう。
引用:https://www.goodyear.co.jp/knowledge/friction.html/
次にセンター摩耗と呼ばれるトレッド面の中心部分が早くすり減っていく現象があります。
引用:https://www.y-yokohama.com/product/tire/tireseminar/
このセンター摩耗の原因は、空気圧過多です。
つまり規定数値より空気圧を入れすぎているということです。
空気圧が少ないとショルダー摩耗する原因となるから、空気を多めに入れておこうとすると、タイヤの中心部分の溝だけがすり減っていき、結果的にタイヤの寿命を縮めることになります。
また空気圧が高いと転がり抵抗が少なくなるので燃費にいいと思って、空気を規定値より多く入れるのもよくありません。
タイヤの接地面積が減ってしまうので制動力、止まる力が弱くなってしまうので危険です。
引用:https://www.goodyear.co.jp/knowledge/air.html
センター摩耗対策のためにも、タイヤの空気圧は多めにいれず適正値を維持するように心がけましょう。
3つ目は片減り(片側摩耗)と呼ばれる溝の減り方です。
引用:https://www.y-yokohama.com/product/tire/tireseminar/
これはトレッドの片側部分だけが早く減ってしまう現象です。
なぜこのようなことになるか解説すると、タイヤは道路からの振動を直接受けているため、タイヤの接地面が垂直に地面に当たらなくなることがあります。
それが原因して、タイヤの片側だけが早く摩耗してしまう片側摩耗になるのです。
車体の外側の溝だけが減ることを外減りと呼び、内側が早く減ることを内減りと呼ぶことがあります。
この対策は車両のアライメント調整を行い、タイヤの接地面が道路に対して垂直にあたるように調整してもらうことです。
引用:http://www.ipec-j.co.jp/products/rav4wtester/
またタイヤ交換の時にバランス調整をしておくと、片側摩耗を減らせるでしょう。
スリップサインが出た場合の危険性は?
スリップサインが出たら、タイヤの交換時期という意味になります。
スリップサインが出ている時はタイヤの溝がすり減っている状態を表します。
溝が浅くなると制動力、駆動力が不足して制動距離は長くなってきます。
制動距離が延びるということは、止まるまでに時間がかかるということです。
引用: https://www.goodyear.co.jp/knowledge/check.html
車が止まるまでに長い距離を必要とすることになると、緊急時に危険を回避できないことを指します。
非常に危険な状態です。
また特に雨天時の高速道路ではタイヤの排水能力の低下によりタイヤが浮いた状態になってしまうことがあります。
これをハイドロプレーニング現象と呼びます。
引用:https://tire.bridgestone.co.jp/about/driving/rainy/index.html
ハイドロプレーニング現象とは、車が雨の日などに水たまりなどを走った際に、スリップしてブレーキやハンドルが効かなくなる現象のことです。
ハイドロプレーニング現象は、アクアプレーニング現象や水膜現象とも言います。
特にハイドロプレーニング現象は、スピードを出す高速道路で起きやすく、交通事故や車を大破するなど、毎年被害が出ています。
ハイドロプレーニング現象は、一定の条件でどんな車にでも起こるものなので、事故を起こした場合でも過失が低くなる場合があるようです。
しかし、いくら事故の過失割合が低くなったとしても、事故は起こしたくないものです。
ハイドロプレーニング現象が発生する原理は、水の溜まった道路を走行中、タイヤと路面の間に水膜が発生して、車が水の上を滑るような状態となることを指します。
極端に表現するなら、タイヤが水の上に浮いているのと同じです。
そのためハンドルやブレーキが利かなくなるのは、タイヤと路面が接していないからなのです。
ハイドロプレーニング現象を発生させないための対策は、濡れた路面、雨天時は速度を控えて走行するようにしましょう。
特に水たまりは避けて走るようにするといいです。
もし避けられない場合は、十分に速度を落として走行するようにしましょう。
またタイヤの空気圧を規定値にしておくことを日頃から習慣としておくといいです。
出先で雨に降られたり、夏場はゲリラ豪雨に見舞われたりする可能性もあります。
さらにタイヤの溝が十分にある状態で走行し、ヒビの入った古く劣化したタイヤを使わないようにするために、日常のタイヤ点検をちゃんとしましょう。
また、一部のスポーツ性能を重視したスポーツタイヤでは、濡れた道路でのグリップ力が弱い場合があります。
またスタッドレスタイヤも雨には弱い部分がありますので、タイヤの特性と天候に合った運転をする意識も必要でしょう。
最近では、ハイドロプレーニング現象の対策として路面を排水性が高いアスファルトに変える取り組みが進んでいます。
粒の荒い小石がアスファルトで固められているような外観で、粒子の粗さが水はけを良くしているのです。
これは、ハイドロプレーニング現象を抑制して事故発生率を下げる効果とともに、夏場のヒートアイランド現象を低下させる役割もあるのです。
タイヤは新品だから絶対大丈夫ということはありません。
常に路面の状況は変化しています。
タイヤの状態、自分の運転技術を過信しないように、常に安全運転を心がけましょう。
キャッチ画像引用:https://tyre.dunlop.co.jp/tyre/products/tyrecheck/check.html
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