プジョーの歴史と車種別特徴｜ネコ足・ネコ目とは？

クルマ好きでなくとも1度は聞いたことがあるであろう「プジョー」。

もし選択肢の1つとして購入を検討されているのでしたら、ぜひその歴史と特徴も知っておきましょう。

プジョーの歴史

フランスの自動車メーカーであるプジョーの歴史は古く、1818年にフランス東部にありますフランシュ・コンテのドゥ県モンベリアールにおいて、ジャン・ピエール・プジョー2世が創設した製鉄工場から始まりました。

ここで冷間圧延工法という特殊技術を活かして、優れた鉄製品を次々に生み出していくことになります。

これらの製鉄技術が、自動車メーカー「プジョー」としての土台となっていきます。

1889年に創業者の孫にあたるアルマン・プジョーが、「タイプ1（トリシクル）」と呼ばれるプジョー初となる自動車を完成させます。

彼はイギリスでエンジニアリングを学び、その知識を生かして記念すべきプジョーの自動車第1号を完成させたわけですが、このタイプ1は石炭を燃料とすると蒸気自動車でした。

アルマンは石炭からガソリンに替わる時代が来ると確信し、パナール・ルバッソール社からガソリンエンジンの供給を受け、「タイプ2（クアドリシクル）」を完成させます。

全部で5台生産し、これが世界初の量産車ということになります。

ダカールのプジョー3008

引用：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB

またプジョーの歴史を語る上で、避けて通れないのがモータースポーツへの参戦です。

今も昔もその自動車メーカーが持っている技術を示し、力強い宣伝効果も期待できるために、多くのメーカーがモータースポーツに参戦します。

プジョーは世界初の自動車レースから参加を果たし、見事優勝を飾っています。

その世界初の自動車レースとは、1894年に開催されたパリからルーアンまでの126kmを競い合うもので、「タイプ2（クアドリシクル）」で参戦し、なんと優勝してしまったのです。

プジョーのモータースポーツに対する情熱は現在も同じで、特にラリーに積極的に参戦しています。

プジョーの特徴

プジョーの特徴は、歴史に培われた技術と独特な乗り味にあります。

自動車メーカーごとには味というものがありますが、それぞれそのメーカーの自動車に対する考え方が反映されており、短期間で築かれるものではありません。

世界で最も古い自動車メーカーの一つであることから来る、独特の味わいはプジョーの大きな魅力の一つとなっています。

特に、柔らかでありながらも粘りのあるしなやかな足回りは、プジョーのみならずフランス車に多くみられるものです。

これは石畳が敷かれた市街地やワインディングロードが多いフランスの道路事情が反映されているようです。

プジョー308

引用：https://www.peugeot.co.jp/

またボディデザインはスタイリッシュでコンパクトサイズが多いという特徴もあります。

コンパクトでありながらも存在感がある、ここが日本車がなかなかかなわない部分かもしれません。

5ドアハッチバックが人気で、取り回しが良く、狭い道が多い日本でも運転しやすいと高評価です。

プジョーの隠れた魅力の一つに、シートの出来の良さがあります。

座り心地が良く、非常に快適です。

サスペンションだけでなく、シートの良さのダブルの効果によって、快適な乗り心地を実現しているわけです。

しっかり感があり、長距離のドライブでも疲れにくいのが特徴です。

プジョーの歴史ある特徴、ネコ足・ネコ目とは？

プジョーの特徴であるしなやかな乗り心地は、ネコ足と呼ばれて親しまれています。

ネコ科の足は実にしなやかで、高い塀から飛び降りても音を立てることなく着地します。

人間や犬の足とはまるで違いますね。

プジョーの足回りは、このネコの足のようだと表現されれば、誰でもイメージしやすいことでしょう。

初めてプジョーのクルマに乗った人は、その上質な乗り心地に驚くに違いありません。

プジョー508

引用：https://www.peugeot.co.jp/

多くの自動車メーカーはサスペンションの製造を専門の工場に外注していますが、プジョーは設計段階から製造、そして入念なチューニングまで、自社で一貫して行っています。

プジョーのサスペンションに対する気合いの入れ方は、他社の比ではないといっても過言ではないでしょう。

もちろん、クルマの魅力は足回りだけではありませんが、少なくともプジョーを選べば、上質な乗り心地が約束されています。

またネコ足に対して、最近はネコ目と呼ばれることも少なくないようです。

これはヘッドライトの形状がネコの目のように吊り上ったデザインを採用していることが多いことから来ています。

吊り上ったヘッドライトにより、精悍で力強くワイルドな印象を与えてくれるのと同時に、高級な印象も与えてくれます。

プジョーの代表車種紹介

プジョーの代表する名車を紹介していきましょう。

プジョータイプ190S

「プジョータイプ190」は1928年末から販売されたモデルです。

初期プジョーの中でも190型は大人気車種で、合計33,000台を超える台数が生産されました。

1929年に後継車であるプジョー201が発売されましたが、タイプ190の生​​産は1931年まで続きました。

引用：https://en.wikipedia.org/wiki/Peugeot_Type_190

この190Sは、当時まだ木枠で作られ、フレームの各部分は、大工の道具を使って、灰やブナの木から個別に形作られました。

デザイン的にも非常に歴史を感じさせる1台です。

プジョー205

次に、「プジョー205」です。

その中でもホットハッチとして親しまれたGTIは、忘れることのできない一台です。

プジョー205 GTI

昔のマツダファミリアのようなハッチバックスタイルで、ファミリカーとして日ごろの足に使うのに最適なクルマでした。

GTIはフォグランプが埋め込まれたフロントスポイラーとスポーティなバケットシート、最高出力100馬力を発生する1,904ccの直列4気筒SOHCが、わずか880kgの軽い車体を軽々と加速させました。

プジョー306

フランスの貴婦人との愛称で親しまれたのが、「プジョー306」です。

その美しくエレガントなスタイリングは、20年以上前のクルマとは思えない今見てもはっと息を飲むほどです。

プジョー306ハッチバック

引用：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB306

この美しいデザインを手がけたのは、実はイタリアの名門「ピニンファリーナ」で、その良さが随所に表れています。

程よいネコ目と味わい深いネコ足は健在で、バランスの良さが光ります。

プジョー406

306と同様に「ピニンファリーナ」が手掛けた「プジョー406」は2ドアクーペです。

1998年に発売された当時は、世界で最も美しいクーペと称賛され、日本国内でも数多く見かけることができました。

プジョー406クーペ

引用：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB406

プジョーの優雅な足回りが、406のイメージにも合っており、優れた走行性能が美しいクーペデザインの魅力を損なわせない一台として高く評価されています。

プジョー206

世界総合販売台数が600万台を超え、プジョー最大のヒットモデルとなったのが、1998年から2012年まで製造販売されたプジョー206です。

プジョー206CC

引用：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB206

デザインは「ピニンファリーナ」からプジョー社に戻され、少しエレガントな雰囲気が影をひそめてしまいましたが、厚みのあるボディは存在感が増し、逆に力強さが戻ってきました。

2000年からWRC（世界ラリー選手権）で3年連続優勝したことが、さらに人気を押し上げることとなりました。

プジョーの歴史と特徴まとめ

プジョーは世界の自動車メーカーの中でも、最も古いものの一つです。

特徴は「ネコ足」「ネコ目」と呼ばれるような、しなやかな足回りと吊り上ったヘッドライトなどです。

プジョー208

引用：https://www.peugeot.co.jp/

コンパクトサイズの車種が多くモータースポーツでも古くから活躍してきました。

現在販売されているのは、小型ハッチバックのプジョー208やプジョー308、5ドアクーペの新しいモデルであるプジョー508、そしてSUVのプジョー3008やプジョー5008などがあります。

プジョー3008

引用：https://www.peugeot.co.jp/

アイキャッチ引用：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC