キャデラックの歴史とルーツ【まとめ】車種の特徴

もう名前の響きだけでもカッコイイ「キャデラック」、アメリカっぽくていいですよね。

ここはひとつ、歴史や車種の特徴などを知って、知人に披露してみてはどうでしょうか？

キャデラックの歴史とルーツ

キャデラックのルーツは1899年に設立されたアメリカの自動車メーカーで、当時はフォード・モーターの創業者、ヘンリー・フォードが関わります。

当時の社名はヘンリー・フォード・カンパニーでしたが、経営陣との対立によってヘンリー・フォードは去り、1902年に機械工場の工場長を迎え入れて再始動しています。

キャデラックの名前になったのはまさに1902年のことで、翌年の1903年から本格的な自動車の生産に入りました。

キャデラックは最初期から高品質で知られ、当時自動車業界で問題になっていた、互換性についても高く評価されています。

ところが、同社を率いていた工場長のヘンリー・マーティン・リーランドが離別することになります。

その後もキャデラックは時代の波に乗り、変化に適応することで現代まで存続し続けています。

時代が変わっても変化しなかったのは、積極的な先進技術の採用や高級車の製造で、大恐慌時代には販売台数が低迷するものの、それでも諦めずに信念を貫きました。

大恐慌の後には第二次世界大戦が訪れ、戦時体制下の制限などによって、新製品の開発が凍結されます。

ただ、戦時中でもアメリカ政府や軍の関係者がキャデラックに乗っていたことから、少数ながら生産は続けられています。

戦後は戦闘機をモチーフにした先進的なデザインを採り入れたり、バンパー一体のグリルを採用した車で注目を集めました。

1950年代～1970年代には、当時のスターやセレブがこぞって愛用したことで、右肩上がりに売上を伸ばしました。

ハリウッド映画作品に度々登場したこともあり、今ではアメリカを象徴する自動車メーカーに位置づけられます。

1900年代後半には迷走したり低迷しましたが、2000年を前に建て直したりブランドの再構築を経て、存在感を維持しています。

現在でもウィル・スミスやデビッド・ベッカム、エディー・マーフィーなどセレブの愛車としても有名です。

キャデラックの車種の特徴

初期のキャデラックを率いたヘンリー・マーティン・リーランドは、元々精密加工技術の権威ともいえる人物です。

その為、品質に妥協はなく互換性の問題も改善されていて、当初から高品質というのがキャデラックに共通する車種の特徴です。

先進技術に対する意欲も特徴の1つで、世界で初めてV型8気筒エンジンを採用したり、同じくV型16気筒エンジンも搭載しました。

他にも、パワーステアリングや自動調光のヘッドランプにエアコンの搭載など、常に新しい技術を意欲的に採り入れ定着させることで、乗用車の発展に貢献しています。

品質の良さは外装だけでなく内装にも共通で、快適性を高める装備を多数搭載したことから、高級車の代名詞にもなりました。

目が肥えているスター、あるいはセレブをも魅了し続けているので、高級感を伴うデザイン性の高さは本物です。

アメリカの自動車メーカーなのにアメリカらしくないですが、それだけに他社の製品にはない魅力が感じられます。

日本でアメ車に乗る場合、車体の大きさが問題になるものの、キャデラックではほぼ問題がないのがポイントです。

高級車なので誰でも簡単に買えるものではありませんが、しかし日本でも実用的に乗れるという意味では間違いなしです。

アメ車にありがちな燃費や耐久性のイメージはキャデラックにはなく、むしろ日本車や欧州車に近い感じすらします。

手を加えながら長く乗るアメ車ではないですが、品質が良くメンテナンス性も良好なので、長く愛用できる車になり得ます。

キャデラックの歴代の代表車種

キャデラックの初期、1903年に登場したモデルAは、時代からすると高級感があって品質の良さも窺えます。

キャデラック モデルA（1903年）

引用：https://es.wikipedia.org/wiki/Cadillac

1926年登場のモデル314を始め、1931年のV16ロードスターに1938年のラ・サール・38クーペと、着実に進化を遂げていることが分かります。

これは洗練されていくデザインの変遷だけでなく、搭載するエンジンや機能面にも表れている進化も関係します。

キャデラック モデル314（1926年）

引用：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF

絶頂期と評価される1950年代に発売されたデビルやシリーズ59は、いずれもアメ車のイメージを決定づけたデザイン性が優れます。

キャデラック シリーズ59（1959年）

引用：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF

打って変わって、1975年と1980年に登場したセビルは、ダウンサイジングと低燃費化など、実用性重視の方向で進化を遂げました。

デザインの尖った部分は落ち着いていますが、その分性能面が飛躍的に伸びています。

キャデラック セビル（1975年）

引用：https://en.wikipedia.org/wiki/Cadillac_Seville

1982年のシマロンは、高価格帯の参入や日本車や欧州車との競争、それに顧客層の高齢化に合わせて開発された車種です。

アメリカ市場においては、トヨタや日産にベンツとアウディなど、各自動車メーカーのライバルに設定されています。

価格帯は当時の1万2千ドルで、ライバルよりも若干価格帯を下げつつも、パワーステアリングとエアコンを標準装備するなど、意欲的な車に仕上げられました。

ところが、共通部品化に拘り過ぎたことで、他の車種との差別化が難しくなり、商業的に失敗してしまいました。

シマロンは失敗しましたが、セビルの成功によって、キャデラックはダウンサイジング化とFF化を推し進めます。

キャデラック シマロン（1982年）

引用：https://en.wikipedia.org/wiki/Cadillac_Cimarron

一時期低迷したキャデラックは、失敗したシマロンを諦めて廃止したり、成功しているセビルブランドの新車種開発に力を入れて、立て直すことに成功しました。

2000年代にはカテラをCTS、セビルをSTS、デビルをDTSに名前を改め、ブランドの再構築を図っています。

現在は最小モデルのATSと、SUVのSRXやエスカレードを投入することで、テコ入れを行っている状況です。

キャデラック エスカレード

引用：https://en.wikipedia.org/wiki/Cadillac_Escalade

このキャデラックエスカレードは日本でも松本潤さんや仲間由紀恵さんの愛車として有名です。

【自動車メーカー】ゼネラルモーターズの歴史とキャデラックとの関係

ゼネラルモーターズは1908年に設立された自動車メーカーで、現在はキャデラックを傘下に収めています。

実は同グループ入りは1909年と非常に早く、ゼネラルモーターズ設立者のウィリアム・C・デュラントにより、キャデラックはグループ入りを決めました。

ゼネラルモーターズグループの中で、キャデラックは最高級の価格帯を担うブランドで、当時から現代に至るまでそれは続いています。

ウィリアム・C・デュラント

引用：https://en.wikipedia.org/wiki/William_C._Durant

キャデラックの方向性を決定づけたヘンリー・マーティン・リーランドの離別は、実はゼネラルモーターズが原因とされます。

第一次世界大戦中、リーランドは連合軍の軍需品の生産を重要と考えますが、ゼネラルモーターズは何もせず、それに愛想を尽かした結果が離別だといわれています。

ヘンリー・マーティン・リーランドは、離別後リンカーン社を設立して、キャデラックのライバルになりました。

ゼネラルモーターズはというと、1930年代～第二次世界大戦までアメリカで最大のシェアを誇り、1950年代～60年代には世界最大規模に成長しています。

ゼネラルモーターズ本社（1923年）

引用：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%8D%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BA

しかし、1970年代になると輸入車に押され始め、長期的に低迷したまま2009年に一度破産しました。

一時的に国有化されましたが、2013年にアメリカの財務省が保有していた株を全て売却することで、国有化が解除されました。

今は再びアメリカを代表する独立した自動車メーカーとして、組織改革やブランドの見直しなどが行われています。

キャデラックの歴史とルーツまとめ

キャデラックは1899年に、フォードでお馴染みヘンリー・フォードの会社として設立されました。

ヘンリー・フォードは経営から離れ、代わりに迎え入れられたヘンリー・マーティン・リーランドが基礎を作り、アメリカを代表する高級車メーカーになりました。

ブランドの誕生や消滅を経験していますが、品質の良さは高級感などは、何時の時代もキャデラックらしさを象徴しています。

グループ入りしているゼネラルモーターズとのつき合いは長く、キャデラックは今も良好な関係で、同グループの最高級レンジを担い続けているブランドです。