ホンダ Ｓ２０００ の歴史についてまとめてみた。 中古車価格の相場はどれくらい？

ホンダのオープンFRスポーツ「S2000」は発売から10年間、フルモデルチェンジをすることなく絶版となってしまって7年が経過しました。

日本自動車界が絶頂期にあった1980年代〜90年代には多くの刺激的なスポーツカーが世に出ましたが、2000年代にはまた多くのスポーツカーが生産中止となりました。

ここにきて名車として認知され、中古車市場での相場は高値を維持しており、その人気は衰えを知らない。

そんななかでもいまだに多くのファンが復活を望む、ホンダS2000について振り返ります。

ホンダ Ｓ２０００の歴史について

S2000はホンダ車としては実に29年振りに登場したFR駆動のスポーツカー。

本田技研工業の創立50周年を製作された記念すべきモデルであり、1999年に販売が開始されたモデルです。

一切の妥協を排して開発されたメカニズムで当時は自動車情報誌において100点満点を獲得するなど、リアルオープンスポーツカーとして専門家にも高く評価されたモデルでした。

https://www.honda.co.jp/S2000/

久しぶりにホンダが作ったFR車ということで話題になりました。

久々の後輪駆動となるシャーシやドライブトレーンも専用開発。

オープンボディでありながらクローズドボディに匹敵する高い剛性を実現し、約6秒で開閉可能な電動ソフトトップを備える優雅さとは裏腹に、クローズドボディ同等以上のボディ剛性実現するために専用開発の骨格構造「ハイXボーンフレーム」には、世界中を驚かせました。

AP1型（前期型）

S800の後継となるFRオープンスポーツとして登場しました。

1999年4月に新開発のF20C型2L直4DOHC VTEC自然吸気エンジンを縦置きしたエンジンF20C型の最高許容回転数は9000rpm。

リッター馬力100psを大きく超え、最高出力は250psを実現。自然吸気でリッター125psという超高性能を誇っていました。

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回すほどに快感を覚えるエンジンに仕上がっていました。

しかし、それはラフなクラッチミートをすればエンストを引き起こしてしまうほど低速トルクが不足していたのも事実です。

そのため実用性より非日常性を重視したクルマとして、スポーツカーファンを魅了してきました。

⇒ホンダＶＴＥＣエンジンの詳しい説明についてはこちら

新骨格のハイXボーンフレーム構造を採用し、クローズドボディと同等の剛性と衝突安全性を確保しています。ミッションは6速MTのみで、新車価格は338万円でした。

2000年7月に世界初のステアリング機構「VGS（車速応動可変ギアレシオステアリング）」を装備した「タイプV」が追加設定されました。

可変ステアリング機構VGSはステアリングのレスポンスを改善し、ドライバーの思い通りの軽快な走りを実現。

速い車速域では安心感のある走りを可能にしました。

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足回りには、前後ダブルウイッシュボーン式サスペンションとし、トルクセンシングタイプLSDを標準搭載。

軽量化にも十分に配慮し、ボディ重量を1240kgに抑え、前後50：50の理想的な重量配分を実現。

ただ、本気が過ぎたのか、初期型ではその性能をフルに引き出すには相当なテクニックが必要だったようです。

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またワイディング走行に焦点を当てたタイプSが国内仕様に追加ラインナップ。

専用セッティングの強化サスペンションやボディの軽量化、空力性能を最適化させた専用エアロを纏い高速域での操縦安定性を増したモデルとなっています。

このタイプS発表の一年後の2009年、S2000は生産終了となりその歴史に終止符が打たれました。

AP2型（後期型）

発売から6年半が経過した2005年11月にビッグマイナーチェンジ実施されました。

排気量を2.2Lに変更され、F22C型へとなりました。

馬力は204.2PS → 242PSへ

リッター馬力は112.2PS/Lへと変貌を遂げました。

F20Cエンジンはレッドゾーンが8900回転、というかなりの高回転型であり、最大トルクを発生するのはなんと7500回転でした。

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低回転域がスカスカで、発進する際にもけっこう回転数を上げねばならず、苦労することもあったようです。

さすがにこの仕様がスパルタン過ぎたのか、F22C型ではかなり「普通の車っぽく」なって下のトルクが厚い設定に変更されました。

エンジン排気量を200ccアップしたF22C型を搭載したほか、ドライブバイワイヤ化することで、出力制御システムを一新しています。外観では17インチアルミホイールを採用。

2007年10月にベースモデルの一部改良を実施。「タイプS」を追加設定。

それと同時に専用エアロパーツとサスペンションチューニングを施しました。

S2000の最終仕様として今なお高い人気を誇る。北海道・鷹栖テストコースで鍛え上げたスパルタンな仕様です。

2009年に惜しまれつつも生産を終了しましたが、これにより再びホンダからFRモデルが失われることになったのです。

ホンダ Ｓ２０００ の中古車の価格はどのくらいか？

2009年に惜しまれながらも販売終了となったFR駆動のS2000。

中古車情報サイト・カーセンサーnetによると、現在S2000の中古車は全国で210台流通しています。

それから10年たった現在でも高い人気を誇り、現在も中古車市場で高値で取引されています。

流通台数は大きな動きはないのですが、平均価格は何とわずか１カ月で23万円も値上がりしています。

https://hmr-honda.jp/manaboon-honda_s2000/

S2000の中古車が値上がりした理由は2007年～2009年までわずか2年しか販売されなかった、最強モデルタイプSの中古車が市場に出回ったからです。

タイプSが出回るようになり、新車価格を上回る400万円を超す価格で流通しているものもあります。

モデル末期に登場した2.2タイプSは元々販売台数が少ないため、なかなか市場に出てきませんでした。

最近では通常モデルでは状態にもよりますが150万円程度から手に入るものもあるようです。

https://hmr-honda.jp/manaboon-honda_s2000/

2.2タイプSの価格は255万～488万円です。

この価格のS2000ならばフルノーマル、無事故車が中心なので、高コンディションのS2000をと言えるのではないでしょうか。

いずれにしてもこれからどんどん手に入りにくくなっていくのは確実。

いい状態のものを見つけたらその時が買い時と言っていいでしょう。

ホンダ Ｓ２０００ はＦＲのオープンカー！その魅力とは？

S800以来、29年ぶりに送り出されたFRモデルとして本田技研工業設立50周年を記念して、1999年に発売された本格オープンスポーツカーです。

中身と性能は、ホンダ伝説の始まりとなるオープンスポーツ“S”シリーズの名を継承するに相応しいホンダ渾身のピュアスポーツへと磨き上げられていました。

デザイン面も優雅なロングノーズの古典的なオープンカーです。

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オープンエアーで風を感じて爽快にドライブをするオープンカー一度は乗ってみたい」という方は多いのではないでしょうか。

しかし実際に所有するとなると、その特殊性から、ホロはクルマのボディよりも劣化が早いし、電動格納式のハードトップはトランクスペースを削るので収納が少ない。

唯一無二の楽しさと引きかえに、多大な犠牲を払う必要があるのではと考えがちですよね。

なかなかハードルが高い気がしてしまうのもオープンカーの宿命。

しかし目の前に広がるパノラマ景色は開放感抜群だし、直接伝わってくるエンジンフィールからは高揚感は別格。

多くの人はクルマに利便性を求めるますが、オープンカーは決して便利な乗物ではないです。

ただしかし、オープンカーは利便性の代わりに人をワクワクさせる多くの魅力を備えていることは間違いありません。

実用性より非日常性を重視したクルマとして、スポーツカーファンを魅了してきたのです。

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そこには「道具としての車」ではなく、「車を純粋に楽しみたい」という車好きの想いと
各メーカーの生産者の番思い入れのある車種であることも感じます。

現在、世の中には効率や利便性を追求したモノで溢れています。

そんな環境だからこそ、心を満たす道具としてオープンカーの需要は高まることを期待したいですね。

アイキャッチ画像引用：https://www.honda.co.jp/S2000/