ハイブリッド車のバッテリーはガソリン車と比べてどう違う?寿命や交換コストは?

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低燃費でエコなハイブリッド車。

これから買う候補として興味はあるけど、ガソリン車と異なるバッテリーの寿命や交換などのリスクやコストが心配、という人も多いはず。

そんな、これからハイブリッド車を考える方のために、今回は、ハイブリッド車のバッテリーに注目して、詳しく見ていきましょう。

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ハイブリッド車とガソリン車のバッテリーの違い

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そもそもハイブリッド車とは?

「ハイブリッド」という言葉の意味を参考に、ハイブリッド車とは何かをおさらいしていきましょう。

hybrid (形容詞)
1 混成の
2 《生物》〈動植物が〉雑種の;〈人が〉混血の
3 〈単語が〉混種の

語源
[原義は「ブタとイノシシの混種」]

出典: 小学館 プログレッシブ英和中辞典
(名詞としての意味を省略しています)

(まさか、ハイブリッドの語源がイノブタだったとは…(笑)
という雑学はさておき、)

hybridは「混成の」つまり、異種のものが一つになって成り立っているものです。

hybrid “car”における「異種のもの」とは「エンジン」と「モーター」です。

ガソリン車はエンジンのみを使って車を走らせますが、ハイブリッド車はエンジンとモーターを上手に切り替えて走らせます。

必要なとき以外はエンジンが止まり、モーターの力だけで、もしくはモーターの力を借りて走行します。

エンジンは、ガソリンを使って動きますから、モーターに助けてもらっている間はガソリンが節約でき、その分エコで低燃費になるのです。

そのモーターは、電気を使って動きます。

ここで、今回の話題の主役、バッテリーが登場します。

ハイブリッド車はバッテリーが2つ

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もちろん、ガソリン車にもバッテリーはありますが、走行をアシストするために作られたものではありません。

エンジンをかけるためにバッテリーを使用するのです。

これを、補機バッテリーといいます。

ハイブリッド車にも補機バッテリーがあります。

ハイブリッド車の場合は、ハイブリッドシステムを開始して運転を行うため、補機バッテリーは主に走行用のモーターの充電と電子機器への電力供給に利用されます。

そして、それとは別に、二つ目のバッテリーがあります。

これを、駆動用(走行用)バッテリーと言います。

駆動用バッテリーは、走行をアシストするための電気を蓄えているのです。

二つのバッテリーが分業をしているんですね。

なお、補機バッテリーは12V、駆動用バッテリーは200V以上の高電圧のものになります。

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駆動用バッテリーの特性を知ろう

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どうやって充電されるの?

駆動用バッテリーには、回生ブレーキによって発電された電気が蓄えられます。

回生ブレーキは、アクセルペダルを離した時や、フットブレーキを軽く踏んだ時に作動し、タイヤが回転するエネルギーを電気のエネルギーに変えることで、減速させます。

よりわかりやすくなる例えとして、
昔ながらの自転車のライトでは、タイヤに発電用モーターを噛み合わせて発電した電気で明かりをつけ、タイヤが重くなっていたのと感覚が似ていますね。

これと同じ要領で、回生ブレーキにより、電気が発電されるとともに、タイヤが重くなり、減速していきます。

(実際は、回生ブレーキと通常のブレーキとの併用で減速や停止しています。)

ちなみに、ガソリン車のフットブレーキでは、回転するタイヤのディスク・ドラムにブレーキパッドをあてて摩擦を起こし、減速させます。

この摩擦では熱エネルギーが発生し、その熱は空気中に放出されます。

まとめると、減速において、
ガソリン車では回転エネルギーを熱エネルギーに変換し、
ハイブリッド車では回転エネルギーを電気エネルギーに変換しているわけです。

空気中に捨てていた熱エネルギーが、ハイブリッド車では電気エネルギーとして活かされているんですね。

では、PHEVはどう違うの?

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駆動用バッテリーは「基本的に」充電の必要がない、と述べたのは、ご想像されている方も多いと思いますが「PHEV」という例外があるためです。

近年人気のある、PHEV(プラグインハイブリッド車)は、ハイブリッド車に外部充電機能がつき、ハイブリッド車の「電気で走れる部分」を強化し、電気で走る距離を大幅に長くしたものです。

普段は電気自動車として使い、長距離を走るときは、駆動用バッテリーを使い果たした後にもガソリンで走行を継続することが可能なのです。

燃費については、シンプルなハイブリッド車もPHEVも大差はない場合もありますが、
あらかじめ充電しておいたバッテリーを使って走ることで、走行し続けられる距離が大幅に長くなる、というわけなんです。

このPHEVでも、回生ブレーキは付いているので、減速走行による充電も働きます。

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バッテリーの寿命はどう違う?

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駆動用バッテリーの寿命は?

さて、この駆動用バッテリー、
充電と使用を繰り返していたら、スマホなどのバッテリーのように寿命がすぐ来てしまうのでは?

とか、

駆動用バッテリーを定期的に交換しないといけないの?

とか、
心配になる方も多いのではないでしょうか。

バッテリーですから、寿命はありますが、結論から言うと、
「通常の乗り方をしていたら、車の寿命よりバッテリーの寿命が先に来て交換する、ということは想定しなくていい」
という程度になります。

メーカーのバッテリー保証期間は、5年、10万kmに設定されていますが、実際は15〜20万km持つようにはなっているそうです。

もちろん、製品や使用状況にもよるので、交換が全くないとは言えませんが、
「当然時期が来たら定期的に交換するもの」という感覚ではない、ということです。

また、長期間使っているとバッテリーの劣化は起こりますが、燃費が少し悪くなる程度で、運転者が走行時に変化を感じるほどまでにはならないそうです。

「いっぱいいっぱい」にならない充電の仕組み

駆動用バッテリーの寿命が長い秘訣は、技術の進歩はもちろんですが、それに加えて、充電の仕組みにあります。

表示では「満充電」になっていても、バッテリーの能力の最大まで充電したわけではなく、
逆に「充電がない」という表示になっていても、完全になくなり切ったわけではない、
という設定にしてあるのです。

つまり、バッテリーの能力的に無理をせず、程よく充電し、程よく使う「無理しない」「いっぱいいっぱいにならない」使い方になるようにしてあるわけです。

この「無理せず長持ち」な手法、人間に置き換えても然りだな、と、考えさせられるのは、私だけではないはずです…(笑)

次はバッテリー交換について見て行きましょう。

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バッテリー交換はどう違う?

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補機バッテリーの交換

通常のガソリン車と同じように、ハイブリッド車の補機バッテリーも、4〜5年に一回程度で交換する必要があります。

ただ、同じ補機バッテリー同士でも、ハイブリッド車はガソリン車ほど気軽に交換がしづらいのが本音のところです。

ハイブリッド車は、部品の構造が複雑なので、補機バッテリー交換の時も、ディーラーなどプロに任せた方が安心です。

操作を誤ると感電死の可能性もある、危険なものだからです。

ハイブリッド車の補機バッテリーの交換は、工賃込みで3〜5万と言われています。

ガソリン車より高めになりますね。

駆動用バッテリーの交換

駆動用バッテリーが故障などで交換する場合ですが、
高電圧のバッテリーの交換になるため、感電、ひどいときには感電死の危険があるので、自分で交換するのはやめておきましょう。

プロのエンジニアでも、特別な訓練を受けた人しか交換ができないほど、危険性の高いものなのだそうです。

駆動用バッテリーの交換は、車種にもよりますが工賃込みで15〜35万程度になるようです。

バッテリー上がりはどう違う?

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駆動用バッテリーは上がらない

補機バッテリーと違って、性質上、駆動用バッテリーは、上がることはないと考えて大丈夫です。

補機バッテリーは、ガソリン車同様、上がってしまうことがありますが、ここでちょっと気をつけておいた方がいいことがあります。

補機バッテリー上がりの注意点

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ハイブリッド車のバッテリー上がりも、ガソリン車と同じく、救援車両をお願いしてブースターケーブルをつないでなおす「ジャンプスタート」で直すことができるのですが、ここで重大な注意点が。

ハイブリッド車は、このジャンプスタートにおいて「助ける側」に回ることができません。

助ける側のエンジンがかかった瞬間、大電流が流れ、ハイブリッドユニットや電源系統が故障する可能性もあり、非常に危険です。

「助けられる側」になるときは、必ずガソリン車に助けてもらうようお願いしましょう。

「もらえるけど、あげられない」
献血でいうところのO型
(他の血液型にあげられるけど、もらえない)
の逆パターンですね。

バッテリーに優しい環境とは?

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もっとバッテリーを長持ちさせるために

駆動用バッテリーの寿命はそんなに気にしなくてよい、とはいえ、愛車の大切な部分を大事にしてあげたいですよね。

バッテリーを酷使する状況は、実は、むしろ走行中よりも、駐車している時にあります。

近年のうだるような夏の暑さにより、バッテリーが熱を持ち、負担がかかります。

しかも、走行中と違いファンで冷やされることもありません。

これが、よくない環境なんです。

神経質になる必要はありませんが、ガレージを締め切らないで空気が入れ替わるようにする、日よけをするなど、ちょっとしたことで負担は減るといえます。

それと、充電残量にもコツがあります。

前述のとおり、もともとの設計的に「いっぱいいっぱいにならない」ようにはなっているのですが、満充電もしくは充電切れに近い状態で長期間停車しておくのは、バッテリーがダメージを受けやすく、最適な状態とはいえません。

ですので、満充電状態ならEVモードで少し走ってから、充電切れが近づいているならEVモードの使用を避け、少し充電がたまっている状態で駐車すると、バッテリーがよりラクな状態でいられる、と覚えておくといいかもしれません。

ハイブリッド車の基礎としてのバッテリー

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初代プリウスから始まって、今は各メーカーで多種多様なハイブリッド車。

魅力的な車がいっぱいありますね。

ついつい「どの車がいい」から入りがちですが、
ハイブリッド車を検討するなら、バッテリーなどの基本的な特性とメンテナンスのことをあらかじめしっかりと知っておくことが、安心して乗る上でとても大切だと感じます。

基礎知識をしっかり深めて、車種ごとの特性をそこに乗せて考えることで、自分の乗り方にぴったり合った車が選べるはずです!

この記事を書いた人

てんちゃん
子供の頃から車大好き、今でも変わらず車好きなアラフォーです。



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