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現在、人気のボディタイプといえば、ミニバンやSUVの車種ですが、「大人の車」をイメージすれば「セダン」型の車を思い描く方も多くいるのではないでしょうか。
とくに、セダンといえば車の中の車というイメージで、絵を描いてと言われるとセダン型の車をイメージして描く人が多いのも特徴の一つでしょう。
今回はセダンの全盛期に一時代を築きあげ、そのセダンの代表格だった日産の名車、「セドリック」と「グロリア」についてまとめました。
セダンの代表格、日産セドリック、グロリアとはどんなクルマ?
セダンは重心が低くてバランスが良いため、安定性が高く走りやすい車です。
しかし、国内の販売シェアは少なくなってきている傾向にあり、ミニバンやSUV&軽自動車&コンパクトカーの勢いに届かなくなってきているのが現状です。
かつて販売されていた、日産セドリックとグロリアは、日産の高級セダンで、兄弟車です。
同クラスのライバル社としては、トヨタのクラウンが挙げられます。
全10代にもわたるロングセラーモデルですが、2004年10月に販売が終了されました。
当時、優れた性能を有する大型セダンは、各自動車メーカーのブランドイメージを担うものでした。
1991年に登場した、セドリックとしては8代目、グロリアでは9代目となるモデルY32型。
税制の変更により5ナンバーの呪縛から解放され、全車3ナンバーサイズとなりました。
ただし全面刷新されたのは、先代までのセンターピラーレス構造からピラード形式となった4ドアハードトップのみで、セダンは先代Y31型、ワゴンは先々代Y30型が継続生産されました。
ゴージャスなブロアム系は角形2灯、先代から加えられたスポーティーなグランツーリスモ系は丸形4灯と異なるマスクが与えられ、双方の差別化がより明確となりました。
エンジンは初代シーマから受け継いだ3リッターV6 DOHC 24バルブターボを頂点に5種類。
トランスミッションは4段ATまたは5段AT。
サスペンションはフロントが先代から受け継いだストラットでしたが、リアには新たにマルチリンクを採用。
ブロアム系の上位グレードにはエアサスペンション、グランツーリスモ系の上位グレードにはスーパーHICASが用意されました。
当時のベントレーのハイパフォーマンスモデルにも似た雰囲気の顔つきを持ち、“グラツー”の愛称で呼ばれたグランツーリスモ系を中心に、市場の評判は上々。
ライバルであったトヨタ・クラウンの同時代モデル(9代目)が、押し出し感を弱めたスタイリングのために苦戦したこともあって、クラウンを上回るセールスを記録しました。
その後1995年6月 – Y33型系へモデルチェンジ
8代目同様「グランツーリスモ」、「ブロアム」シリーズをラインアップ。
トランスミッションは、電子制御4速ATに統一され、翌年にはABS(アンチロックブレーキ)が全車に装備されました。
その後、4WDの設定も追加され、安全性能が強化されたシリーズとなりました。
1999年6月 – Y34型系へモデルチェンジ
新世代LLクラスプラットフォームを採用したモデルへ進化しました。
従来の「ブロアム」、「グランツーリスモ」シリーズが廃止され「ノーブル」というラグジュアリ性に特化したモデルとなりました。
フロントサスペンションにストラット式、リヤサスペンションにはマルチリンク式が採用され、当時の世界トップレベルの衝突安全性を実現した「ゾーンボディ」と、緊急時の回避で車両の横滑りを防止するVDC(ビークルダイナミックスコントロール)など、より高い安全性を実現したモデルでした。
2004年10月- 後継車の「フーガ」にバトンタッチし、セドリックの製造・販売を終了。
45年間の歴史に幕を閉じました。
中古車の日産セドリック、グロリアの価格相場は?
44年間で10型のモデルチェンジをした中、5代目430型から8代目Y32型の販売期間が高度経済成長期からバブル経済の間で、この間に走行性能やスペックの向上が図られ、価格も高額化しました。
http://history.nissan.co.jp/index.html
ローンの成長と共に市場性は高まり、中古車を求める人も多く見られました。
人気の高まりとともに中古車相場は上昇し、とくに上級グレードの価格は上昇していました。
上級グレードの新車価格が高いため、中古車を求める若者が多く、若者を引き付けるためにエアロパーツをカスタムして販売する中古車店も増え、「ヤンキー車」と言われる時代もありました。
歴代モデルの中でバブル経済絶頂の1991年に生産された8代目Y32型はライバル社の高級乗用車に大きく差をつける販売台数でもっとも市場に流通した高級車として有名です。
現在ではモデルチェンジから22年経過しているため、中古市場で少なくなっていますが、最高グレードのグランツーリスモアルティマで、走行距離が少なく、程度の良いものでは車両価格が50万円~100万円以上で販売していることがあります。
人気が高い車両はサンルーフ搭載車、エアロパーツ装着車、BBSホイール装着車などです。
また、当時は一部の高級車のみにしか搭載されることが無かった、マルチナビシステムがオプションで搭載されている希少な車に、高い価値が付いています。
現在人気が高い黒や白のボディよりも、パールホワイトやガンメタリック車の人気が高かったため、いまでも程度の良い車の中古車価格は高いです。
後継のY33やY34も中古価格としては50万円~100万円以上が現在の相場です。
引用:http://history.nissan.co.jp/index.html
燃費に関して乗用車としては燃費が悪く、街乗り走行6.8km/L~7.8km/L程度であったと言われ、とくに加速時や坂道での極端な燃費の悪さが目立ちます。
日産セドリック、グロリアに搭載された直6、V6エンジンは名機?
セドリック、グロリアに搭載されていたV型6気筒のVQ型エンジンの歴史は意外と古く、デビューは1994年。
当時の2代目セフィーロへの搭載が初めてでした。
高効率で生産性も高く、耐久性と信頼性、さらにメンテナンスフリー性を備え、しかも排気量の増減にも広く対応できるという、新世代のV6エンジンとして登場したのです。
生産は、福島県のいわき工場、アメリカのテネシー州デカード工場(2004年から)、中国の東風日産花都工場(2011年から)の3つ。
いずれも、VQエンジンの生産に求められる高い精密性と工作精度を満たす品質管理が徹底された工場になっています。
引用:http://history.nissan.co.jp/index.html
また、アメリカの車雑誌社が毎年選出する10ベストエンジンに1995年~2008年まで14年連続で選ばれるという快挙も達成。
技術と性能の高さ、またそれを長く維持し続けている開発努力などが世界で評価されています。
またRB25DETという直列6気筒のエンジンも搭載されており、DOHC 24バルブ インタークーラー付きシングルターボで、RB25DEのターボチャージャー仕様です。
R34型スカイラインなどに搭載された、NEOストレート6と名乗るマイナーチェンジ仕様では、ついに国内馬力規制枠上限(当時)の280馬力を発生するに至ったモデルです。
鋳鉄製ブロックがもたらす頑丈さによるチューニングマージンと耐久性及びショートストロークによる低中速域でのトルクフルな特性等は現在もレースシーンではチューニングベースとして活躍しています。
引用:http://history.nissan.co.jp/index.html
現在のトレンドを考えると確かに、ミニバンに比べて車内のスペースは広くなく、軽自動車&コンパクトカーに比べて必ずしも燃費が良いとはいえません。
しかし、大人の車のセダン「余裕のある層の高級車」としての位置付けは不動といえるでしょう。
かつて一時代を築きあげ、そのセダンの代表格だったセドリック、グロリアをあえて今乗るというのは粋な選択ではないでしょうか!?
アイキャッチ画像引用:https://u-car.nissan.co.jp/ucar/search/mNI/cS056/?kw=Y31
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